Sunday, December 2, 2007

Googel Androidについて

先週の金曜日のOBIIの勉強会にて、簡単にグーグルのAndroidについて発表をさせて頂きました。

obii_android.jpg 

以下、その時の資料です。
Google_android_ss.pdf
Slide1.jpg 

参加者の方から感想をいくつかアップ頂いています。
第7回OBIIミーティング、Google「Android」は何をもたらすのか、終了しました -OBII
第7回OBIIミーティング、Google「Android」は何をもたらすのか -もぎゃろぐ
第二回迷惑メール技術WGとOBIIミーティング「GoogleAndroidは何をもたらすのか」-うら@らむ
第7回OBIIミーティング “Google Androidは何をもたらすのか”の感想 -NOZAKI.com
「GoogleAndroid」からすすけてみえる世界感 

もぎゃろぐさんのブログでもまとめて頂いていますが、個人的にandroidについて考えていることは、

Googleのアンドロイドの今後の成否に関わってくるのは以下の3つの要素であるだろうということ。

Slide12.jpg 

1.オープンソース
  開発者にとってハッピー。でもLinuxもあるし、独自のJava仕様もあったり。

2.キャリアの壁
 QualcomのMediaFLOもユーザーにとって魅力のある技術だが、キャリアが採用しないため広がらない。どうやって世の中に出していくのか?

3.インフラの壁
 世界中で携帯の3Gネットワークが定着しているのは日本と韓国くらい。パッケット定額制などユーザーが携帯で抵抗なくネットを使える料金プランが整備されている国も限られている

1は、クローズドな携帯の世界をオープンにしようということからandroidの持つ最も大きな魅力であるのは間違いありません。

一方で、2をみてみると、Open Hanset Allianceには世界最大のキャリアであるVodafoneや、アメリカの有力キャリアVerizonなどが参加しておらず。携帯端末シェアの35%を握るNOKIAも参加していません。

Open Handset Allianceに参加している企業もどこまで本気なのか。ドコモやKDDIなど様子見でオブザーバー参加といった企業も多そうです。

ただandroidの共同創始者がT-mobile出身であることから、T-mobileが参加していたり、スペインと南米のスペイン語圏で圧倒的な存在感を持つキャリア、テレフォニカが参加しているところが興味深いところ。

この2つのキャリアをどこまで巻き込めるかがandroidの今後を占う一つの指針になるのではないでしょうか。キャリアを通さないとなると、シムカードフリーの端末を販売する、あるいはmvnoで独自ブランドで端末を提供していくことになるでしょうが、そうなると爆発力はなさそうです。

日本のプレイヤーとの関わりを考えてみると、
・KDDIはグーグルと検索やau oneでのGmailの連携があるものの、EZナビではナビタイムと協業していることもあり、Google mapsとの繋がりが強いandroidの導入には慎重にならざるおえないのではないか。
・ソフトバンクは、ポータルとして競合であるヤフーや、モバイルでのリスティング広告で競合関係となるovertureの存在もあって、androidの採用は考えにくそう。
・ドコモは・・・。独自のエコシステムの強みが発揮できそうにないから難しいか?

一方で、ウィルコム、イーモバイルあたりはandroidに取り組む可能性が他と比べて高そう。
・既にウィルコム用のチップでandroidの動作が確認されたとのニュースがあったり、
・イーモバイルはコンテンツ、広告のビジネスモデルを持たず、接続料金によるビジネスのためandroidを導入することのデメリットがない。通話機能のないandroid端末が登場するかも。(ただ、windows mobileと比べてモバイルネット端末のOSとしてのandroidがどこまで魅力があるか)

そして、世界的な携帯電話の市場動向をみてみると、
・OSを搭載している携帯端末は全体の7%
・昨年から今年にかけて携帯利用者が22億から30億へ増加すると言われているが、その内訳のほとんどが50ドル以下のチープ端末

世の中の主流は圧倒的にチープ端末。 

スマートフォン市場は注目が集まっているが、果たしてどこまで普及するのか?
PDAのような一時的な動きでとどまる可能性も。
(Gphoneはニッチなユーザーに受けいられても、女子高生が使うようになるのか?キャズムを超えられるのか?)

など、現在のandroidを取り巻く、競合の状況、市場状況をまとめてみましたが、グーグルが面白いのは総額10億ドルのandroid用ソフトウェアコンテストを開催するなど、その独特の戦略。

Slide13.jpg 

参加者からのコメントで、「このコンテストによって、コンテスト開催、受賞作品発表などで長期的な話題提供ができるのでは。とても有効なマーケティング施策。」という言葉がとても印象に残りました。

Googleがモバイルの世界でどこまで存在感を示していくことになるか分かりませんが、この世界を来年も面白くしてくれるのは間違いがなさそうです。

以下、発表資料でも紹介させていただいたandroid関連動画のリンクです。

Android Demo
セルゲイ・ブリンの挨拶から始まる。Google MapやGoogle Earth、ブラウザのデモを見ることができる。
Introducing Android
AndroidにかかわるスタッフがそれぞれAndroidについて語っている。
A first look at building an android application
Androidの開発ツールをグーグルの社員が説明している。

1 comment:

  1. 第7回OBIIミーティング、Google「Android」は何をもたらすのか、終了しました

    第7回OBIIミーティング、Google「Android」は何をもたらすのか、は

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