Saturday, August 17, 2013

風立ちぬとタバコ

風立ちぬ、を昨日の夜観てきました。 ジブリ映画で一番好きとまではいかなそうですが、かなり好きな映画になりそうです。 (個人的ベストは「魔女の宅急便」、次が「ラピュタ」かな) 

創造者の苦悩とエゴイズム、それを取り巻く現実世界という描写がモームの「月と六ペンス」を読んでいるような印象を画面から受けました。ストリックランドが前面に外に出る溢れた燃えるような情熱だとしたら、堀越次郎は全く対比的な内に深く秘めた原罪とも言えるような情熱です。

4003225422月と六ペンス (岩波文庫)
モーム 行方 昭夫
岩波書店 2010-07-15by G-Tools

映画が始まったらすっかり没頭してしまっていて、「そういえばこの映画の主人公の声は、庵野秀明だったんだ」というのを映画も半分過ぎてやっと思い出しました。

さて、この「風立ちぬ」でのタバコの描写が賛否両論を招いているようなのですが、個人的には「これが非難の対象になってしまうのか・・・」と見終わって感じました。

私自身はタバコを吸いませんし、喫煙を推奨したいという気持ちはありません。

この映画の中で出てくるタバコは「美味しそう」というよりも後に訪れる「破滅」や「死」への暗喩であったり、主人公達の現状への苛立ちを描写したものだという印象が強く残りました。

軽井沢のホテルでドイツ人が「これがドイツから持ってきた最後のタバコになってしまった」と嘆きながら、主人公である堀越次郎から日本のタバコをもらって吸うシーンもありますが、このシーンも単に嗜好物が無くなってしまうという見方もできますが、物質が欠乏していく時代背景や、煙が燻っている、戦況がどんどんと悪化していく方向にあるという暗喩ととれます。

さらにネタバレになってしまうので、映画を観ていない人は読まないでいただきたいのですが、特に非難がされている堀越次郎が結核を患っている妻、菜穂子の隣で手を繋いでタバコを吸うシーンですが、それだけこの妻の病気が重く、余命わずかという描写なのだと思うのですよね。

入院して食事制限されていた患者が「もう好きなものを食べていいですよ」と言われて退院するお決まりのシーンと一緒です。

もう治らぬ病だということを二人とも知っているからこそ、あの場面で堀越次郎は妻の隣でタバコを吸った。

そして、タバコという害あるものを吸うという行為が、戦闘機という人を殺害する兵器を創るために己の仕事を捧げる堀越次郎の原罪の描写でもあり、その次郎の情熱を誰よりも理解し、残された時間を厳しい状況でも一緒に過ごしたかったという妻、菜穂子の強い愛情・覚悟のようなものを感じました。

その菜穂子の気持ちを理解したのだからこそ、タバコを吸わないことで菜穂子に気を使わせたくなかった次郎があの場面でタバコを吸ったのではないか。

なので時代背景以前に、この映画でのタバコは、「死への予兆」、「現状への苛立ち」、「燻る戦火」、「命を削っても創造を続けるためのもの」の暗喩であって、あれを観てタバコを吸いたいという気持ちになるものではないと思うんですよね。


Sunday, August 11, 2013

中央環状品川線見学会に参加してきます-まだ応募が間に合う親子見学会も

中央環状品川線ブロガー見学会に参加できることになりましたので、8月25日に参加してきます。夏休みということで親子向けの見学会も行っており、8月12日中まで、まだ応募ができるようです。

中央環状品川線 親子見学会

http://tokyo-smooth.jp/shinagawa/kengaku/130825/entry.html

中央環状品川線は、大橋ジャンクションと大井ジャンクションを山手通りの下を通って結ぶ高速道路。私の自宅が大井ジャンクションと大井南出口のすぐ近くのため、毎朝モノレールから、大井ジャンクション付近の工事を見ながら通勤しています。

大橋ジャンクションの見学会は何度か開催されているのを知っていましたが、そこだけではなく近所の品川線の工事の様子が見れそうということで楽しみにしています。

品川線のトンネル部分は8.4キロで接続する山手トンネルとあわせると18キロとなり、日本で一番長いトンネルとなるそうです。

この環状線ができることにより、都心の首都高への迂回路となり、渋滞が緩和されるようになります。毎朝、羽田線の大井ジャンクション合流地点から天王洲アイル、浜崎橋にかけて慢性的に渋滞しているのを目にしているため、これはかなり実感ができるところ。


今まで北関東方面に出かけるときは近所で車をかりて出かけるのではなく、少し都内から離れたところまで電車で移動してからレンタカーで車をかりて東北道や関越道で移動するようにしていましたが、環状線ができてからなら近所で車をかりるのも選択肢となりそうです。

首都高で都心を通るとなると、ナビが使えてもまるで迷路のようで合流地点などを絶えず気にしなくてはならないうえ時間もかかりますが、環状線を使えばほぼ一本道になって時間もかなり短縮されます。羽田から新宿まで移動する場合、20分短縮されるという試算がでているので、外かく環状道路に出るまで場合はさらに時間が短縮されそう。もちろん中央道や、東名へのアクセスもとても便利になりそう。

この中央環状品川線の開通予定は平成26年度の末ということ。開通まであと1年半といったところでしょうか。どこまで工事が進捗しているのかこの目で見れるのも楽しみのひとつです。

ブロガー向けの案内は終了しましたが、親子見学会のほうはまだ(8月12日まで)下記のページで受けつけています。

施日
平成25年8月25日(日)9:00~17:00 のうち、2時間程度
※見学時間及び時間帯のご指定はできません。
 見学場所
大橋ジャンクション付近のトンネル工事現場など
 募集対象
小学校3年生以上のお子様とその保護者:150名
18歳以上の希望者:50名
 参加費
無料
 応募〆切
8月12日(月)