Monday, March 26, 2007

コンテンツはビジネスになるか?

Is Content Still A Buisiness?という面白い英語記事を見つけたので、要約してご紹介したいと思います。ちょっとざっくりとした翻訳ですが、主旨だけでもお伝えでければ。ご興味を持ったかたはぜひ本文を読んでみてください。

is-content-still-a-business.jpg
(Publishing2.0というブログを書かれているスコット・カープさんの記事)

まず、問題提起として、コンテンツビジネスは今後拡大しないばかりか、収益をうみださなくなりビジネスとして成り立たなくなるのではないか?というもの。

その例として、CDの売上が急減している記事を紹介しています。

それによると、
CDはコンサートチケットやTシャツのための広告にちょっと毛が生えたものになってしまった。CDは収益源というよりも、アーティストのマーケティングの一環としてみている。それはツアー、マーチャンダイジング、ブランドの構築を進めるものであり、それだけだ。お金にはならない。

とかなり厳しい音楽業界の現状が示されています。

続けてご紹介すると、

音楽業界の中心であったコンテンツが、コンサートと関連のマーチャンダイジングのためのマーケティングプラットフォームへと後退してしまっており、アップルのiTunesも音楽を販売するためのプラットフォームというよりはiPod本体の販売を促進するためのものになっています。

近年では、音楽業界で起こったことが他のメディア産業でも引き続き起こっているように見えます。他のコンテンツも音楽と同じような運命を辿るのでしょうか?

インターネットとコンテンツのデジタル化がもたらした共通項があります。
コンテンツの分割(コンテンツ単位のミニマム化)です。

インターネット上では、アルバムなどのパッケージ全体を購入しなければいけないところは少なく、1つの音楽ファイル、1つのビデオクリップ、ポッドキャスト、写真が入手できます。

これはコンテンツビジネスにとって非常に大きな変化です。


1つの曲だけのために成んないのCDを買ってきましたか?1つの記事のために何冊の雑誌を買ってきましたか?1つのチャンネルをみるためにいくつのケーブルテレビと契約しましたか?1面だけを見るのに何誌の新聞を購読してきましたか?

インターネットのニュースサイトがいい例ですね。最近では、ニュースサイトする読まず、ブログで紹介されている記事のタイトルや要約だけをチェックされている方も多いのではないでしょうか。TV番組なんかもYouTubeで面白いところだけチェックするというスタイルが生まれつつあります。

メディアビジネスは常に、あなたが欲しいコンテンツにあたなが欲しくないコンテンツを抱き合わせにして販売してきました。ネットワーク上のメディアのデジタル化がこのモデルを完全に破壊しました。音楽がこの崩壊の警鐘を鳴らしています。

すでにビデオコンテンツビジネスでこの兆候が現れています。YouTube上のTVの映像です。メディア企業がYouTubeを無料のプロモーションチャンネルとして受け入れるべきだという議論を何百回も聞きました。ユーザーに自由に番組の映像をアップさせろ。YouTubeを訴えるな。それは無料のプロモーションだ。

この議論はいつも私をうんざりとさせてきました。なぜかといえば、これは私が上記で指摘した音楽販売と同じパターンを辿っているからです。一つのチャンネルにあるコンテンツから収益を生み出すことができない?じゃあ他のチャンネルの宣伝をするのにそれを使おう。でも、それは他のチャンネルはあなたが無料のプロモーションとして使っているチャンネルよりも流行っていないということだよ。

メディアの王様であるためには、ディストリビューター(流通業者)であるだけではダメでしょう。

逆に、コンテンツ配信ビジネス、より正確に言えば、コンテンツプラットフォーム、コンテンツアグリゲーションビジネス(Google, YouTube, MySpace, Facebook, Diggを考えてみてください)だけが残された唯一のメディアビジネスだと思っています。


この辺りは、日本では、状況が少し違うかもしれませんが、いままでであれば、テレビ局、出版社、音楽出版社といった業界でコンテンツの囲い込みが企業単位で出来ていたのですが、コンテンツをアグリゲートしている主体がシフトしていっているのは否めないと思います。

この記事についてはかなり議論を呼んでいるようで、元記事にはコメントが41もついています。

今年は、ネット上のビジネス、特にコンテンツをどうマネタイズするか?コンテンツビジネスがどうなるかが、大きな話題となるような気がしています。

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