Wednesday, March 5, 2008

ブログサービスにおけるひとつの時代の終焉?

今週はmixiの規約変更が大きな話題となりましたが、その影に隠れてひとつのブログサービス規約変更がありました。

ココログが規約改定。1年間更新のないココログフリーはブログを削除

cocolog.jpg


@niftyを運営するニフティは3日、ブログサービス「ココログ」の利用規約を変更した。無料で作成できる「ココログフリー」において、1年間更新されていないブログを削除する。

今回の措置は、ココログのアクティブユーザーがよりよい状態でブログを利用できる環境の整備、システムリソースの最適化を目的として行なわれるものであるということ。

1年間記事の新規作成のないココログフリーのアカウントについて
cocolog_news.png

 私もココログで以前ブログを書いており、3年以上更新していないため対象ユーザーかと思いましたが、nifty会員であるココログベーシックプランだったため大丈夫なようです。

さて、このような規約変更がなぜこのタイミングにでてきたのか考えてみました。

更新されていないブログが対象ですので、サーバーに負荷がかかっているとも思えません。古い記事でも残しておくことでSEO上の効果はあるでしょうし(niftyが他の誰よりもそのことを知っているでしょう)、このような制約を設けることが無料のブログサービスをユーザーに選択してもらう上でマーケティング上プラスになることはないと思います。

まず考えられるのが、会員が増えても収益増加には繋がっていないということ。

この場合は、無料のユーザーが増えても収益増加には繋がらないわけですから、無理にユーザーを増やす必要はないのは自明のことです。広告収入を基本とした多くのブログASPサービスに黒字化していないものも多いのも事実です。

しかしこれだけでは理由としては少し弱いような気もしたので(幽霊会員のデータが果たしてそんなに負荷やコストになるものなのか?)もう少し考えてみました。

もうひとつの理由として可能性が高いのではないか、と思ったのがPVに対してではなく、会員数に対してコストがかかっている構造になっているということ。

幽霊ユーザーがPVを生み出さないばかりか、PVの有無に関わらずコストが発生しているとしたら、今回の規約変更の十分な動機となりうるような気がします。

結論としては、
ココログはユーザーアカウント数に対してライセンス費がかかるため、コスト圧縮のためには休眠ユーザーのブログアカウントは削除せざるおえなくなったのでは?
ということ。

多くの方がご存知であるようにココログはSixApart社のTypePadをベースに開発されています。

そのTypePadの料金体系ですが、その多くがアカウントの数に対して費用が発生するようになっています。
TypePadのサービスプランと利用料金

typepad_pricing.jpg

今回の規約変更という決断に至ったのは、ココログの会員数に対して、あるいは一定のユーザー数ごとにTypePadのライセンス費の支払いが発生するため休眠会員のブログによるコスト負担を削減する必要があったというのが理由として大きいのではないでしょうか。

(TypePadビジネスクラスでは、利用者数が無制限というプランも提供されています。ですのでこれはあくまでも推論です。ASPの利用料金はWebの情報だけでは判別つかず。個別に多少異なるでしょうし。)
TypePad ASP 

上記はひとつの推測にすぎませんが、2004年-2006年と拡大傾向にあったブログサービスが、ひとつの局面を迎えているひとつの象徴かもしれません。mixiのサービス規約変更も、新しいコンテンツサービス、広告サービス導入のために布石を打っての規約変更とも考えられますし今年はブログ/CGMサービスのマネタイズ、コスト体質の見直しを巡っていろいろと動きが出てきそうな気がします。 

4 comments:

  1. Spam vs 更新の無い blog

    管理人不在の blog は comment/trackback spam の標的になり易いので、一定期間更新の止まった blog を削除するというのは割と...

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  2. 規約改正で、実際に削除しようという気はもうとうなく、
    新しいエントリーの増加を促そうという一種のキャンペーンなのかもしれません。

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  3. 2008-03-07

    blogって ブログサービスにおけるひとつの時代の終焉? | 技術動向 | 世界を巡るFool on the web | あすなろBLOG, 20080...

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  4. ふゆっきさんご指摘のような可能性もあるかと思いますが、エントリー増加が目的であればペナルティーを課す形ではなくプレゼントを行うなどユーザーにメリットがある形で行うのではないかと思います。

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