CNET読者ブログからの転載です。
もう何週間かたってしまったのですが、先日行われた、
「ソフトバンク、ボーダフォン買収で幕が上がる120兆円情報通信産業の波乱の行方」
http://blog.japan.cnet.com/watanabe/archives/002733.html
というイベントに参加させていただきました。
そのときにタイトルのような内容について質問をさせて頂いたのですが、説明がうまくできなかったこともあり、ほとんど反応がえられなかったのですが、そこで考えてみたことをここで補足してみたいと思います。
ソフトバンクがVodafoneを買収したことでどういった動きがでてくるのか?
いろいろな憶測が書かれていたりしますが、僕は携帯料金支払いを使った、BtoCサービスの小額課金を模索してくるのでは?と思っています。
BtoCサービスの課金って、オンラインゲームとかでやられていることで今に始まったことではないし、webサービスは無料が基本でしょ?という疑問もあるかもしれません。
(実際そのような答えを当日頂きました。)
まず、多くのwebサービスが広告を基本としたビジネスモデルでは思ったほどの成果が得られておらず、mixiのような大手のサービスもプレミアムサービスによるユーザーへの小額課金という形態を模索しているのが現状です。
とはいえ、mixiのプレミアムサービスの利用率についてもそれほど高い水準にはきていません。
でも、例えば
vodafoneユーザでプレミアムサービスに申し込めば、モバイルでmixiを閲覧したときに、PCでは表示されるニュースが閲覧できるとなったらどうでしょうか?
少なくとも今のプレミアムサービス加入者と比較して、かなりの数の新規申し込みが見込めるのではないかと僕は思っています。(サービスの付加価値というよりも、有料サービス登録への垣根の低さといった視点からです)
このような取り組みを増やしていけば、ソフトバンクはvodafoneを利用した課金をいろいろな会社に開放していくことによって課金手数料を得ることができるわけです。auやドコモもケータイ支払いの動きを進めていますが、既存の公式コンテンツとの関係もあり、かなり制約が多いというのが現状です。そのあたりの壁を破って、大々的な展開をしてくるのでは?という気がしています。
例えば、skypeへの入金。
現状では、クレジットカードでskype社へ入金するのが前提となっていますが、vodafoneユーザーへskypeを使えるようにし(あるいは、 Yahoo Messengerをベースとした音声アプリを導入するかもしれませんが)その変わりに、skypeへの入金はvodafoneのケータイ支払いのみに制限することで、課金手数料をキャリアが稼ぐようなことも出てくるかもしれません。
これはキャリア課金だから成立することであって、B2Cサービスとしてアカウントを持っているネットゲームの会社では同様のことを行うのは難しいのではないかと思っています。
また、今後webサービスがPC,モバイルと垣根がなくなる中で、vodafone向けの付加サービスを用意してもらうことで、hatenaや 37signalsが提供しているような(もちろんドリコムのサービスも含まれてくると思いますが)サービスのBtoC課金をvodafoneのケータイ支払いで行うようになることは十分可能性があると思います。
hatenaポイントをクレジットカードで買うには抵抗があっても、vodafoneの電話料金と一緒に、300円でポイントを小口で買えたりしたら、買ってみようかな?と思いませんか?
少なくともこれによってB2Cへの小額課金のための垣根が少し低くなり、vodafoneもこれによって手数料を稼ぐといったモデルが成立しうるのではないかと考えています。