Thursday, April 20, 2006

ソフトバンクのVodafone買収によるウェブの小額課金ビジネスの可能性

CNET読者ブログからの転載です。

もう何週間かたってしまったのですが、先日行われた、
「ソフトバンク、ボーダフォン買収で幕が上がる120兆円情報通信産業の波乱の行方」
http://blog.japan.cnet.com/watanabe/archives/002733.html
というイベントに参加させていただきました。

そのときにタイトルのような内容について質問をさせて頂いたのですが、説明がうまくできなかったこともあり、ほとんど反応がえられなかったのですが、そこで考えてみたことをここで補足してみたいと思います。

ソフトバンクがVodafoneを買収したことでどういった動きがでてくるのか?

いろいろな憶測が書かれていたりしますが、僕は携帯料金支払いを使った、BtoCサービスの小額課金を模索してくるのでは?と思っています。

BtoCサービスの課金って、オンラインゲームとかでやられていることで今に始まったことではないし、webサービスは無料が基本でしょ?という疑問もあるかもしれません。
(実際そのような答えを当日頂きました。)

まず、多くのwebサービスが広告を基本としたビジネスモデルでは思ったほどの成果が得られておらず、mixiのような大手のサービスもプレミアムサービスによるユーザーへの小額課金という形態を模索しているのが現状です。

とはいえ、mixiのプレミアムサービスの利用率についてもそれほど高い水準にはきていません。

でも、例えば
vodafoneユーザでプレミアムサービスに申し込めば、モバイルでmixiを閲覧したときに、PCでは表示されるニュースが閲覧できるとなったらどうでしょうか?

少なくとも今のプレミアムサービス加入者と比較して、かなりの数の新規申し込みが見込めるのではないかと僕は思っています。(サービスの付加価値というよりも、有料サービス登録への垣根の低さといった視点からです)

このような取り組みを増やしていけば、ソフトバンクはvodafoneを利用した課金をいろいろな会社に開放していくことによって課金手数料を得ることができるわけです。auやドコモもケータイ支払いの動きを進めていますが、既存の公式コンテンツとの関係もあり、かなり制約が多いというのが現状です。そのあたりの壁を破って、大々的な展開をしてくるのでは?という気がしています。

例えば、skypeへの入金。
現状では、クレジットカードでskype社へ入金するのが前提となっていますが、vodafoneユーザーへskypeを使えるようにし(あるいは、 Yahoo Messengerをベースとした音声アプリを導入するかもしれませんが)その変わりに、skypeへの入金はvodafoneのケータイ支払いのみに制限することで、課金手数料をキャリアが稼ぐようなことも出てくるかもしれません。

これはキャリア課金だから成立することであって、B2Cサービスとしてアカウントを持っているネットゲームの会社では同様のことを行うのは難しいのではないかと思っています。

また、今後webサービスがPC,モバイルと垣根がなくなる中で、vodafone向けの付加サービスを用意してもらうことで、hatenaや 37signalsが提供しているような(もちろんドリコムのサービスも含まれてくると思いますが)サービスのBtoC課金をvodafoneのケータイ支払いで行うようになることは十分可能性があると思います。

hatenaポイントをクレジットカードで買うには抵抗があっても、vodafoneの電話料金と一緒に、300円でポイントを小口で買えたりしたら、買ってみようかな?と思いませんか?

少なくともこれによってB2Cへの小額課金のための垣根が少し低くなり、vodafoneもこれによって手数料を稼ぐといったモデルが成立しうるのではないかと考えています。 

プランナーという仕事

CNET読者ブログからの転載記事です。

僕がプランナーという言葉を始めて意識するようになったのは、くぼたつさんこと、久保田達也さんの本を読んでからでした。

その後、佐藤雅彦さんを初めとする広告プランナーが注目されたり、ゲームプランナーという職種が小学生の憧れの職業になる中で、僕もプランナーという仕事を目指そうと、まずはゲームの仕事からはじめました。

その後、フリーのプランナーとして活動をしてみて、とても痛い目に会うことになります。

僕がフリーランスで活動していく中で学んだのは、
・企画だけではお金にならない
・新規事業はお金にならない
・種は撒き続けなければいけない
といった当たり前のことでした。
(でも、当時は一つの素晴らしいアイディアが何もかも変えてくれるように考えていたのです)

まず「企画」だけでお金を取るのは非常に難しいことを知りました。

ゲームでもそうですし、広告もしかりですが、形がある納品物があってはじめてお金がとれるということがほとんどではないでしょうか。そして広告やゲームの世界では多少違いますが、アイディアや企画ということに対して、費用を見積に計上するのは非常に大変です。

僕の場合であれば、企画書制作費といった形で見積を作成したりしていましたが、制作できる体制がないとアイディアだけではお金をとれないということをフリーランス時代に痛感しました。

また新規事業というのは、えてして成功するかどうか分からないものであり、どうしてもかけられる予算が限られてきます。そのため、新規事業だけにかかわっていたのではお金が回ってこないわけです。

もちろん新しい取り組みは大事ですし、時代を先取りをしていくことも大事ですが、実際にお金を生み出すようになるまでは数年先になるということもしばしばあります。そのため、お金になるのはどこか?といった意識もプラニングにおいては非常に重要な要素となります。

最後に、種をまき続けること。

フリーランスのときは、目先の仕事に全力投球して、その仕事が終わったあと、次の仕事がなくて困りはてるという毎日でした。種は常に撒き続けないと、ひとつのことで食べていくのには寿命があります。

そのためには、種をまき続けていくか、今していることが次のことにつながっていくようなことを行うか、ということになると思います。

とはいえ、新しいこと、目先が変わったことがすきな私としては、考えていく方向性がバラバラで何も蓄積されないまま分散してアイディアを出していくという毎日が数年間続きました。

そんなときに、宣伝会議が毎月行っていたモバイル企画コンテストと
いうコンテストに定期的に応募をするようになり、11回入賞することができたということが自信ときっかけになり、モバイルの世界で企画を行うようになりました。

そして今はドリコムという会社で新しいwebサービスの企画を行っています。

webの世界では、APIの公開やオープンソースという潮流のなかでプログラマが自ら企画し、サービスをリリースしていくというケースが非常に増えています。そんな中で、プログラムができないプランナーという立場で何ができるのか?

ドリコムのプログラマーと切磋琢磨しながら自分の場所を模索中です。

また当然プログラムをできたほうがいいでしょうから、プランナーというところに自分のアイデンティティーを持ちつつプラグラムとどうかかわっていくべきなのかについても常に考えています。

そんなプランナーとしての取り組みと、

そして今後の新しいネットサービスについて考えてみたことを書いていきたいと思います。