Wednesday, August 29, 2018

3万円で中国に依頼して自社ロゴキーホルダーを作成してみた

今年の1月終わりに、中国の義烏(イーウー)を初訪問しました。

上海から高速鉄道で2時間、アフリカ各国のバイヤーが買い付けに来る問屋の町という認識しかなかったのですが、真珠の養殖をしていたことからこの地で起こったアクセサリー工場に訪問しました。

アメリカの大手デパートやディスカウントストアで10ドルほどで販売されているアクセサリーを生産している工場が驚くほど多品種小ロットに対応しており、スマート化も進んでいました。

最終的には最小ロットが100個でつくれることがわかり、思いがけない小ロットにサンプルを制作し、発注して制作することにしました。

そんなアクセサリー工場を訪問してのレポートと、アクセサリーをつくれるまでの顛末を紹介したいと思います。

問屋の町義烏
義烏を訪れたのは、ここが問屋の集積地であるということから。義烏国際商貿城という1から4階まで問屋が立ち並ぶ、巨大な棟が5区画連なっています。

一棟がこのくらいの大きさです(ピンぼけですが)。

中にはびっしりと問屋が詰まっています。


ちょっと怪しげなものが置かれていたりも。もっともここに置かれているものは、こうした製品が作れるよというサンプル、文字通りの見本だったりするので、実際に販売を行っている製品ではなかったりする場合も結構あります。

スマート化されたアクセサリー工場
問屋ビルを見た後に、訪れたのが地元のアクセサリー工場。

このようなアクセサリーを製造しています。アメリカのスーパーや、量販店で確かにみかけたような感じの製品です。

こちらの製造工程も見学させていただきました。ここはデザインを担当する部門。

アクセサリーの構成パーツが大量にストックされています。

これを組み合わせて、いろいろなバリエーションのアクセサリーのサンプルをデザインしています。

そして、元となるパーツや、アクセサリーを製造しているフロアー。

製造工程が全てトラッキングされており、生産状況がリアルタイムで確認できるようになっています。

どのように製造するのかという指示書も電子化されており、作業者の右側に設置された端末にその内容が表示されます。大量に生産されたものは消費者が飽きてしまうため、より少量多品種に対応していくためには、電子化によりコスト削減、効率化が欠かせなかったとのこと。


また複雑な形状を制作するための型をつくるための原型は3DプリンタやCNCを使ってつくられます。


これを元に、ゴム型がつくられ、それを修正し、

型に金属が流し込まれて、パーツが量産されていきます。

できあがった、パーツはバレルによって研磨されて滑らかに。

出来上がったパーツごとにQRコードが振られており、残数や生産数などが管理されています。

このあと、塗装工程などもみせていただいたのですが、二軒めで訪れた工場のほうで塗装のほうを重点的に紹介するので、割愛します。

より高品質なアクセサリーづくりを行うアクセサリー工場
二軒めに訪れた工場は、よりデザイン性に注力したアクセサリーを製造するところでした。

こちらは元ZARAのデザイナーがデザインしているもの。

こちらではショールームでのサンプル展示が充実していました。

職人さんが流れ作業で製品を製造していきます。

作業服が軍服っぽいのが面白いですね。

こちらが塗装を行っている場所。



ずらりと積まれているのが、アクセサリーの元となるゴム型。

この炉で溶かした金属が型の中に注入されます。

ここでもバレル研磨で型からできたものを研磨していました。

出来上がったパーツをさらに加工していきます。

こちらは袋詰の作業。できあがったネックレスを引っ掛けておくための専用の器具が気になりました。

さて、これだけ手間がかかっている作業や工程があるのですが、こうしたアクセサリーは安いもので単価100円から、凝ったものでも数百円で制作できるとのこと。

アクセサリーだけでなく、ピンバッジやこうしたキーホルダーのようなものも制作しています。

そして話をきいてみると、なんと最小ロット100個からつくっていただけるそう。

500個とかでなくて、100個ですよ・・・・。ということは、単価数百円で100個つくる場合、合計の予算で数万円あれば、つくれてしまうわけです。

クラウドファンディングのお礼や、ノベルティとして使用するために自社キャラのキーホルダーを制作してみたいと考えはじめました。

自社キャラのキーホルダーのサンプルづくり

しばらく創業してからの初の海外イベントへの出展(バルセロナ4YFN)などで忙しく、バタバタとしていましたが、アクセサリー工場のことが頭の中にずっとあり、自社キーホルダー制作の依頼を3月中旬に行いました。

以下の自社のロゴデータを送ったあと、
3月後半に帰ってきたのが、こちらのデータ。こちらは数パターンあったなかで、一番希望に近かったものです。
微妙に目のデザインなどが異なっているのですが、キャラクターの再現性を高めるよりは、先方の良さを生かしてもらいたいな、と考え数点にしぼって修正依頼をなげます。
こうしたやりとりを何度か行い、実際のサンプルを制作いただくことになりました。

そして5月に入り、先方から最初の実物サンプルの写真が届きました。

右側のほうがキャラクターの再現度が高いのですが、左側のほうが金属の地が宇宙服の胸の部分や、縁取りのラインとして使われていていい味がでています。また右側の平面的な処理よりも、左側のほうが立体感がでておりより手間がかかる処理となっています。

そこで、左側をベースにすすめていただくようにしました。ただ顔の部分、特に左側の目の上の部分と髪が接するところが線が重なってしまっていてキレイに見えないのが気になったので、そこだけ調整してもらうことができないかをお願いしました。

こちらの目を気持ち小さく、そして目の中の白い点を少し下にずらしていただくことで、左目の上の部分をすっきりとさせたい、と伝えました。

このよう、元絵と違うバージョンの目を作成して、先方にこちらの意図が伝わるように共有。

とはいえ、目の大きさは2,3mm。その中の点や線の太さは0.3,0.4mm。十分元のデザインを考慮いただいて再現いただいているので、これ以上のクオリティーは可能であれば、くらいの気持ちで待つことにしました。

さて、あとは待つだけかなぁ、と思っていたのですが、実は左側のサンプルの裏側がこのような構造になっていたことを知らされました。


うーん、ちょっとこれは予想していませんでした。こんなふうになっていたのか。おもしれーじゃねえか。さすがにハートは可愛すぎるよね?丸にしたほうがいい?と連絡がきたので、丸に変えていただこうかと思ったのですが、穴が丸だけなのもつまらないので、次のような形の穴も混ぜてみてもらえる?と伝えてみました。

ハートのように、丸みがあって、あまり複雑ではない形状。惑星とその環をイメージしています。

そして出来上がった最終サンプルがこちらです。

実際にみてみると、思った以上の立体感があります。

ということで、思った以上にクオリティーの高いものが出来上がったので、せっかくなので、ポルカでも購入希望者を募ってみることにしました。

Campfireを使うことも考えたのですが、リターンの最小金額が3000円だったので断念。目標金額も10000円でなくても、もうすでに制作することは決めているので、極端な話1000円でもよいわけです。

とはいえ、発注をする手前、ずっと販売中にはしておきたくなく、注文をあるタイミングで切って、購入希望社がつのれるサービスで最適なものは...と絞っていった結果Polcaを使用してみることにしました。

以下がそのリンクです。
(ただPolcaはスマホ前提でPC向けではないのですよね...どのサービスも今回のような目的には帯に短し襷に長し、で良いサービスを探してみようと思います)

価格は送料込で800円となっています。
もう少し安くしてもいいかな、と考えたのですが、1000円以上、以前のリワードで支援いただいた方にお礼としてお送りすることを考えているため、あまり安い価格を設定することを避けたかったのと、中国から輸入してくる送料、個別の送料、そして今回のPolcaではキャンペーン中のため発生しませんが、こうしたプラットフォームの手数料や決済手数料などが将来的にかかる可能性なども考えて、こちらの値段で設定してみました。

こちらの記事を読んでいただいて、実際の製品が気になったかたはご支援いただければ。
残り日数は10日ほどとなっております。

生産には1ヶ月ほどかかり、そのあと日本に届くまでも多少時間がかかるため、10月から11月にかけてのお届けになるかと思います。

またこちらの記事を読んで、キーホルダーを自社や、自分たちでも制作してみたいと思った方は、私のFacebookのほうにメッセージでご連絡いただければご協力させていただきたいと思います。

先方の連絡先を直接書いても、ご迷惑が掛かる可能性があることや、中国語あるいは英語でのやりとりになること、そして私自身、この工場が他のデザインを制作したら、どんなものになるのだろうか?と興味を持っており、それも見てみたいと思っていますので、このような形をとってみました。


ということで、最後は少し宣伝になってしまいましたが、単純なキーホルダーだけでなく、ICタグを埋め込んだものなんかも作ってみたいなと考えています。そうした取組が今後あれば、またレポートしてみたいと思います。

追記:
書き終わってから、気が付きましたが、タイトルは「作成してみた」ですが、まだ一部現在進行系ですね。これから最後、発注をかけることになります。