Wednesday, October 31, 2007

車が売れなくなったのは当たり前。その2

車が売れなくなったのは当たり前。の続きです。

先ほどのエントリで、車が売れなくなったのは、購入費用以外に維持費がバカにならないからだ、といった内容のことを書きました。

ここで、「維持費用がかかるのは、昔も同じことだし、昔は維持費用がかかっていても車は売れていた」といった意見もあるかと思います。

それはその通りだとは思いますが、私は実は状況が少し違ってきているのではないかと思っています。金額的には維持費用は変わっていないかもしれません。しかし、他の体験が割安で得られるようになってきたのに対して、車によって得られる体験は割安にはなっていないため(同じ金額でとどまっているため)相対的に割高になっているのではないか?と感じています。

例えば、パソコンを例にとってみましょう。

1994年に私が最初に買ったパソコンはMacのLC630という機種。当時23万円で購入しました。
LC630.gif

そして、最近購入したiMac。
dscn1845.jpg

こちらは整備済製品ということもあって、約13万円でした。

ディスプレイもついて、DVDも観れて、無線LANやBluetoothにも対応しているよりリッチなユーザーエクスペリエンスが得られる機種が 10万円も安くなっています。さらにMac miniと比較しても、遥かに高性能な商品が半額以下で買えるようになったわけです。

続いて、書籍やマンガを例にとってみましょう。

昔も古本屋はありましたが、それほど一般的なものではありませんでした。

いまは書籍やマンガを楽しむ経験を得るためには、選択肢も増え、割安になっています。

・マンガ喫茶の深夜パックでマンガを読む
・ブックオフやアマゾンのマーケットプレイスで割安に書籍やマンガを購入する
・ヤフオクでマンガ全巻セットを安く買う
・電子ブック、コミックを購入する(携帯でも)

以前では、このような体験をえるためには、古本屋をまわったり、全巻がそろっている場所を探したりと時間もコストもかかったことが、はるかに容易にできるようになり、マンガを読むことで得られる体験を割安で手にすることができるようになったわけです。

また携帯電話についても、ARPU(キャリアによる加入者一人あたりの売上高)は頭うちと言われていますので、昔も今もユーザーが支払っている金額は変化していないと仮定してみます。

支払っている費用は変わっていませんが、技術の進歩やパケット定額制により、以前は体験できなかったゲームや着うたなどのコンテンツが手軽に楽しめ、SNSなどの一般サイトも充実し、ワンセグや写メール機能のように無料で得られる体験も増えています。

支払っている金額が同じだったとしても、その結果得られる体験・満足度が増価していれば、相対的に割安となっているといえるのではないでしょうか。

もちろんPCのように支払っている金額は少なくなって、得られる体験が増えているものも多く存在します。

支払っている金額が同じであっても、得られる体験が変わっていないのであれば、その費用はユーザーにとっては相対的に割高になっていっているのではないでしょうか?

このような点について車はどうか?と考えてみることで、答えがでてくるのではないかと思っています。

(長くなってしまいましたが、最後に補足です)
補足;車が売れなくなったのは当たり前。

1 comment:

  1. 昔はクルマが重要なコミュニケーションツールだったのだと思います。ケータイとインターネットの普及以降はコミュニケーションツールとしての価値が相対的に下がったのだと。

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