毎日.jpで公開されているティム・オライリーの独占インタビューを読んでみました。その中で気になった点について書いてみたいと思います。
ティム・オライリー:WEB2.0提唱者に聞く----独占インタビュー
私は、ウェブ2.0の未来は多くの場合、データベースの奥に隠れている価値の蓄積を見つけ出し、利用者が使えるサービスに変えて行くことだろうと思う。重
ねて言うが、データをいかに解錠して利用者サービスにつなげていくかを学ぶことだ。データはどんどん自動的に生成されるようになってきている。大きな未来
がこの先にあると思う。
ネットワーク化によって発生する新たな価値を見いだすこと。例えば、diggなどのソーシャルニュースサイトであれば、それはどのニュースが利用者全体の中で人気があるのかであったり、ある特定のユーザーがどのようなニュースを好んでピックアップしているかというようなことですね。
このような価値を創造するためにはデータをクローズドにしたり、ユーザーを囲い込むことの意味がなくなります。どんな新しい価値を生み出すことができるか。そこが、マッシュアップでは生み出すことのできない新たな転換点、次のイノベーションに繋がるような気がしています。
消費者の視点からいえば、モバイルにはいくつか力強い動きがあることに疑いはない。しかし、世界的なモバイルの革新は、通信事業者によって制限されてい
る。オープン・プラットフォームを許可していないし、「集団知」を生かせるアプリケーションを構築する機会もない。それが可能になるまでは、モバイルの可
能性は制約を受けるだろう。ただ、モバイル革命は、ウェブブラウザー革命より、さらに大きな潜在力を秘めているといえる。驚くべき革命につながるだろう
が、今はまだだ。繰り返すが、モバイルの世界でびっくりするような動きがあることには疑いがない。
モバイルの世界はオープン化されてきたとはいえ、まだまだクローズドな部分が多くあり、数多のサービス、サイトが断絶されている状況にありますよね。公式サイト、一般サイト間での自由な連携ができないのはもちろん、国や、キャリアの差異によってシームレスなサービスを展開することが困難になっています。無線LANやWiMaxの普及によって、携帯キャリアの通信回線を経由しない通信が可能になったときに、本当の意味での変革が実現するのかもしれません。そのような動きが、日本から生まれてほしいと考えています。
オープンソース・ソフトウエアは卓越したソフトウ
エア理論だった。オープンソース・ソフトウエアは、ソフトウエア自体を売ることで収益を上げるのは困難になるが、ソフトの価値が失われるわけではない。価
値はどこか別の場所へ移る。
価値が失われるのではなく、価値はどこか別の場所へ移るという考えが面白いですね。オープンになることで生まれる価値。その意味をよく考えることがもっと必要なのかもしれません。
80年代半ばを振り返ると、パソコン産業は終わったわけではなく、始まりに過ぎなかったのだということに気づいた。最初の段階では誰もがチャンスに飛びつ
き、そのチャンスをよく理解しないままビジネスを立ち上げるというのはよくあることだ。しかし、彼らは間違っていた。チャンスの意味を理解していなかった
会社が消えていったことで視界が明瞭になり、本当にチャンスを理解している会社だけが、がれきの中から立ち上がった。そして、人々は何がそうした会社を成
功に導いたのかを、もっと鮮明に理解するようになった。
ビジネスの成功においては、社会状況や運も作用するでしょうが、継続して成功していくには、本質を理解していることが大事であるということですね。今、ウェブの世界、そして社会全体で起こっていること、この本質を見極めることで、本当のチャンスが見えてくるはず。そこを理解できるようになりたいと思います。
非常に面白い示唆にとむインタビュー記事で、11月のWeb2.0 EXPO Tokyoへのオライリー氏の来日が楽しみになってきました。会場へ行けるかどうかは分かりませんが、目に見えない変化が見えることができるように日々勉強していきたいですね。
Web2.0提唱者 ティム・オライリー氏のインタビュー
ReplyDeleteティム・オライリー氏のインタビューがあったのでメモ。 ティム・オライリー:WEB...