Sunday, October 28, 2007

広告モデルと課金モデルの関係

五反田社長の日記を時々読まさせてもらっています。以前働いていたモバイルコンテンツ業界の記事が中心ですが、なかなか深い分析の内容があっていつも楽しみにしています。

五反田ではたらけ!五反田社長の日記
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最新の、「Web2.0=無料」という幻想という記事がウェブサービスのマネタイズの難しさについて分かりやすく解説しています。



で、特にモバイルで強い傾向として
「課金コンテンツ(≒公式)の時代は終わった。非公式サイトの時代だ」
「これからは広告でマネタイズを考えないと駄目だ」
というような論調を多く見る、ように思います。

…でも、それって本当ですか?


反証2:ニコニコ動画&GyaO/Showtime
動画サービス市場を席巻するニコニコ動画、会員はPC/モバイル合計400万人に届こうという勢いです。まだ赤字のサービスですが、Cnet記事によると08/9月期の黒字化を明言。同記事の推計によると月間売上は9000万弱だが、「課金収入が60%」あることが見逃せません。
また、ニワンゴの赤字を埋めつつニコニコへ先行投資する親会社のドワンゴは、売上の大半が「dwango.jp」の公式課金売上なことも見逃せません。
同様に赤字ですが、USENの動画事業も無料のGyaOが看板コンテンツではあるものの売上的には(現在も向こう3年間も)有料配信モデルの売上のほうが「無料モデルの売上をはるかに上回る」と予想しています。ちなみにUSEN(ShowTime)は、モバイルでも「課金事業を多数」手がけていたりします。
 

 このような形で、他にも反証が紹介されていますので、ご興味がある方は元記事をご覧頂ければと思います。

 

 

広告モデル課金モデル。アメリカでは、この他にユーザーでもなく、クライアントでもなく、ごく一部の投資家からお金を投資してもらうという投資モデルがあると個人的には解釈していますが、 前職ではウェブサービスの広告モデルの難しさ、そして前々職ではモバイルコンテンツの限界と閉塞感というのを体感してきました。

ここで起こっている動きとして、広告モデルから課金モデルへの移行をはかろうという動きと、逆に課金モデルから広告モデルへ進出しようという動きの二つがあるといえるかと思います。

SNSなどのコミュニティーを軸とした広告モデルのサイトが、ゲームなどコンテンツを加えることにより、課金モデルを導入していっているのが、モバイル版GREEなどのサービス。

一方で、課金モデルから広告モデルへという動きは、広い視点ではキャリアのオープン化であったり、元々有料であったゲームを無料にすることで広がっていったモバゲータウン。またドワンゴ→ニワンゴもその動きのひとつと言えなくもないかもしれないですね。

以前は、広告モデルはコミュニティーを主体としたものが多く、課金モデルはコンテンツを主体としたものが多いというのが、一般的だったのではないかと思います。

SNS、ブログ、掲示板=コミュニティー=広告モデル

動画、着うた、ゲーム=コンテンツ=課金モデル

それに対して今起こっているのは、

コミュニティー+コンテンツ(mixi+ニュース、動画、GREE+ゲーム)

コンテンツ+コミュニティー(モバゲータウン)

という動きであったり、

コミュニティー→課金モデル

コンテンツ→広告モデル

を探る動きであると言う事ができるかもしれません。

Web2.0がコミュニティーの形成と活性化、そしてユーザーによるコンテンツの生成を爆発的に促した結果、既存のサービスがどのようにコミュニティー、コンテンツの要素を取り入れ、またどのようにもう一方のモデル(課金or広告)へと手を広げるかという本格的な動きが進んでいるように感じています。

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