Saturday, June 13, 2009

日本のWebが残念なのはWeb2.0が流行で終わったから

今月は梅田望夫氏が日本のウェブが残念、という取材記事への一言から、そうだのそうでないのブログ界隈で議論が盛り上がっていた様子。

日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編) (1/3)

一言書こうかなぁ、と思っていたらあっという間に時間が過ぎてしまった。

まず思ったのがアメリカのウェブが本当に進んでいるのか?ということ。

正直行ってアメリカの中でもSNSがビジネスのインフラになっているか?というと、シリコンバレーでは確かにそうなのかもしれないけれど、その他の地域ではそうではない気がしている。

IT業界以外の業界の人のSNSへの参加率はまだまだ低いのが米国での(特にシリコンバレー以外では)実情だというのが私の実感。一応NYにあるIT系に属する会社の中で働いているわけだけれど、全員がFacebook等に参加しているかというと、そうでもなく、ごくごく一部。ブログを書いている人となるとさらに少なくて、僕が一番書いているくらい。

同僚とランチ行ったときも「Facebookやってる?一応入っているけど、何も書いてないよね?」という会話になった。この辺り、ブロガーというのが特殊な人種と考えられている?日本とあまり温度感は変わらない感じ。

twitterのユーザーもそれほどは多くなく、フォロワー数が600を越えているの僕のものを除けば、会社アカウントとして使われているtwitterしかない。

アメリカは日本以上に、階級社会、学歴社会、人脈がビジネスで重要という面があり、SNSが日本よりもインフラ色が強いのもそうした影響がある故ではないかと思う。実社会がギルド的同業者コミュニティーの面があるため、自然SNSにもそうした面が現れているだけであり、これが梅田氏の好みとして一致はしていてもそれはネットの先進性とは無関係のものではないだろうか。

ただ、日本の場合は企業のネットへの取り組みや姿勢がオープンになっておらず、遅れているのでは?と感じるのは確か。アメリカでも全ての企業がオープンなわけではないし、IT系やメディア系の企業を除くとそもそもオープンにする材料がそんなにあるわけではないのだけれど、アメリカではWeb2.0が一つの変化として確実に企業側も変えていったのに対して、日本ではWeb2.0がひとつの流行として受け止められ、それが流行として過ぎ去ってしまったという感は否めない。

ニューヨークに来てみて思ったのは、ここをアメリカと呼ぶには憚れるほどアメリカの中では特殊な場所で、むしろ東京に近い場所であるということ。同じようにシリコンバレーもアメリカの中でかなり特殊な場所であるわけでシリコンバレーをもってアメリカと考えてしまうと見誤ってしまうことがかなり多い気がしている。

日本やアメリカという国の違いよりも、インターネットのヘビーユーザーとそうでないライトユーザーという違いのほうが、人としての行動をみたときにより近いものがあるわけで、もはや国という区分け自体も意味をなさなくなってきているんじゃないかな、と各国のtwitterユーザーの発言が入り乱れた画面を観ていると感じてくる。

日本人であるかアメリカ人であるかよりも、ブックマークレットを知っているか、知っていないか、RSSを日常的に使っているといったことのほうがネットユーザーとしてどの属性にあるかを知るには重要なわけだから。

梅田氏が残念に思っている日本のウェブに非があるわけではなく、非があるのは梅田氏の好みである日本のアカデミック層が、ネットに対してオープンに活動していなかったり、海外のSNSやブログなどと断絶していることではないかと思うのだが、いかがだろうか。

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