楽天に入社して、楽天技術研究所代表の森さんのぶっとんだお話を聞く機会が多くなりました。
下記は、森さんが取材されている記事です。
楽天、「Web 3.0ではなく“サードリアリティ”を追求する研究所」について語る
サードリアリティについての勉強はなかなかできていないのですが、森さんが盛んに、「アテンション・エコノミー重要!」と説いているのを耳にしたり、目にしたりする機会が多くあります。
アテンション・エコノミーについてはなんとなく意味は知っていたのですが、 そんな森さんの言葉をぼんやりと考えていたら、ようやく直感としてアテンション・エコノミーの概念が腑におちたような気がしました。
以下、私が考えてみたことを書いてみたいと思います。
企業はテレビなどに莫大な広告宣伝費を払って、一生懸命アテンションを人々から得ようとしている。しかし、デザイナーの佐藤可士和さんがいわれているように、人々はそもそも広告をみていない。
人が見ていない広告を認知してもらうためには、どうするべきか?ということで可士和さんが答えとしてだしたのが、smapの渋谷でのタウンジャックキャンペーン。
そのような様々な取組みを行ってようやく人からアテンションが得られる。
でも、ブログを書いてそれを読んでもらったり、無料のサービスによって情報を配信するということで、莫大なお金を払わなくともアテンションを得られる可能性がうまれる。
もちろんただそのような取組みを行うだけでは不十分で、発信者自身の恒常的な努力や、価値をうみだすための工夫があって初めてそのようなことが可能であったり、「なぜ他のサービスではなくYouTubeがブレイクしたのか?」という問いに明確な答えがないように、そこには明確な方程式は存在せず、偶然性なども作用する。
アルファブロガーの記事は、その読者によって自発的に、お金が読者に支払われることなく読まれる。お金を払っても伝えたいことを思うように伝えることができない時代においては、これは非常に価値があること。
広告費を払わずに(無料で)、しかも能動的に相手から情報を求めてくるわけだから。
お金を払えば、情報を伝えることは強制的にはできるかもしれない。しかし情報を伝える相手が興味を持って、その情報を受けいれてくれるかは、お金だけでは解決することが難しい。
しかし、アテンションを得ることができれば、お金を生み出すことは容易になる。(もちろん、マネタイズの方法がまだはっきりと確立したわけではありませんが)
アテンションが得られれば、お金が生み出せるようになってきている。
(これは以前は、テレビや雑誌などでは無料で提供したとしても、それを生み出す為に相応のコストがかかったのに対し、ネットではコストが0に近づき、またアナログメディアとは異なり、不特定多数にリーチできるようになった。そしてネット社会ではアテンションがさらなるアテンションを集めるための元になる。)
対して、お金を出しても本当の意味でアテンションを得られるとは限らない。
以前はテレビや、雑誌などでブームをつくりだすことが可能であったかもしれないが、だんだんとそれが困難になってきている(テレビや雑誌で、初音ミクや、モバゲーのようなヒットはうまれていないのがそれを証明しているといっていいと思います)。
アテンションがお金をうむ一方で、お金があってもアテンションがうめるとは限らない。
アテンション・エコノミーはアテンションがお金の上位にくるということ。
こういった感じで考えてみました。
個人的にようやく少しは、アテンション・エコノミーが何なのか理解できたような気がしました。
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