Sunday, October 26, 2008

日本企業にとって今はグローバル展開への最後の、そして最良のチャンスかもし れない

昨夜放映されたNHKスペシャル、中々骨太で面白い内容でした。

特に印象に残った言葉がこちら。
あと5年もすれば中国やインドの企業がグローバルな企業買収にさらに乗り出す。日本企業にとって今回は、グローバル展開への最後の、そして最良のチャンスかもしれない。


以下、番組内容のメモです。

 
日本とアメリカ 第一回 アメリカ買収〜グローバル化への苦闘〜

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アメリカの金融危機で日本企業によるアメリカ企業の買収が増加

買収や出資の金額は今年すでに総額3兆5000億円。
世界進出、グローバル展開のための同業社の買収。
短時間で海外展開するための手段。

東芝の原子力事業の例(現在の買収の先駆け):
 国内の立て替え事業だけではいずれ行き詰まる
 海外では市場の拡大が見込める
 →二酸化炭素削減、電力不足
 今後20年間で100基以上の需要が見込める

米ウェスチングハウス
二年前に4700億円で東芝が買収
原子力発電所の設計で世界標準を握る
世界の原子力発電のおよそ半分200基以上で、ウェスチングハウスの技術が
15の国と地域44カ所に拠点
東芝は日本ではトップメーカー(日本で22基)
社員数1万人
→東芝西田社長「買収をしないことには、原子力事業のグローバルな展開は多分、かなり難しいだろう、と。将来の我々の勝ち残りというのは無い。

TimesSquareに広告

日本にいてはいずれ行き詰まる。世界にはチャンスが広がっている。
→巨額を投じてもウェスチングハウスの買収が必要

以前、COCOMでバッシングを受けた苦い経験があった
ウェスチングハウスは原子力潜水艦にも関係しており、米国政府の反対も予測された

ハーワード・ベーカー前駐日大使もロビー活動のため東芝によって雇われていた
(そうなのか、すごいな。)

米国社会に東芝は信用がおける会社だという印象をいろいろな形で植え付けなくてはいけない。
→東芝が買収するという事がアメリカ社会で問題にならないように。
そういった下工作は相当前から行っていた。

全米子供発明コンテストのスポンサーに
→コンテスト入賞した子供と一緒に地元選出の上院議員を訪問
(忙しい議員も地元の子供との面会なら時間を割いてくれる)

東芝社員の言葉
「いい会社だ。いいことをやっていてくれていると。じゃあ何の問題もないじゃないか。日本の会社であっても我々の会社と同じようなものだ、と。いうふうに思ってくれるようになっていると思うんですね。」

東芝の課題:
親会社の方針を世界の隅々に浸透させなければいけない。
・コミュニケーションと相互理解を深めるという課題
・より蜜な、多くのコミュニケーションと、違いを理解することが必要
・判断の差をどうManageするか。半永久的な課題では。

世界に打ってでる手段としてアメリカ企業の買収に乗り出した日本企業
相手の力を最大限に引き出し、自らもグローバル化できるか?


おそらく、今までには出ていなかったような情報がこの番組で初めて出てきたのではないかと思います。改めてNHKの取材力に脱帽。

考えてみると、今は国のヤフーなんかは一番の買い時かもしれませんね。ホリエもんがいれば、真っ先に手をあげていたりしていたかも。

また東芝の入念な準備には深く考えさせられました。IT業界でも形は違えど、このような活動は必要かもしれません。

例えばグーグル。

Googleストリートビューのようなサービスを他の会社が出していたとしたら、おそらくもっとひどい反発を受けていたはずです。

しかし、Googleは数多くの無料サービスで多くのユーザーを引きつけており、エンジニアやIT関連へのコミュニティーにも数々の貢献をしており、ブランド力が高かった。

こういった前提がなければ、ストリートビューというのは技術力があっても実現できなかったサービスなのではないかと思います。

今夜27日には第二回が。

日本とアメリカ 日本アニメvs.ハリウッド
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こちらも面白い内容となりそうです。

また第一回の再放送もあります。

2008年10月29日(水)  午前0時55分~1時44分 (28日深夜) 総合

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