Tuesday, February 27, 2007

日本発のソフトが少ないのは世界を市場として見ていないから

先日、404 Blog Not Foundや渡辺千賀さんの記事を読んで少し考えてみたりしていました。

404 Blog Not Found:日本発のソフトが少ないのは日本がアメリカではないから
(元々は、ヒューマン2.0を書かれた渡辺千賀さんのこの記事が話題の発端になっています。)
日本発のソフトが少ないのは日本人が英語が苦手だから

On Off and Beyond
www.chikawatanabe.com.jpg

ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない)
ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない)



詳細は上記の記事をご覧頂きたいのですが、渡辺さんの記事の一部を抜粋すると、

 



 ソフトには様々なレイヤー(階層)があり、それぞれ異なる開発企業や組織が乱立してしのぎを削る。特定のレイヤーで優位な地位を占めるには、他のレイ
ヤーから広く支持される必要がある。そのため国際的な会話能力が不可欠。業界標準制定に際しては、優位な仲間を囲い込み業界団体を作ったり、その中で自社
技術の優位性を主張したりする「政治力」も必要。自分のソフトを広く認知させるためにも、細やかなコミュニケーション能力がいる。


 ソフトの世界では、それなりに国内市場を押さえていても、グローバルな勢力に押し切られる傾向が強い。国内で一世を風靡した「一太郎」、「花
子」、そして「98パソコン」もマイクロソフトの波に飲まれた。連携が重要ゆえに孤立した市場を守るのは難しく、グローバルに優位に立つことが極めて重要
だ。


私自身も、同じように言語も一つの大きな要素だと思いますが、世界市場をマーケットとして考えているか、 というサービス当事者の意識が決定的な差となって出た結果なのではないかと思っています。

例えば、ソフトウェアの世界でも、ルクセンブルク発のSkypeは他のメッセンジャーサービスと比べても特に高い人気を得ています。

それは、サービスを開始した当初から、多言語対応、そして世界を市場として最初から捕らえていたというところが要素として大きいのではないでしょうか。

英語を話せるということは、世界を市場として意識しやすくなる要因にはなるかと思いますが、オーストラリアやニュージランド、そしてイギリスから世界的なサービスがアメリカに比べて少ないのは、世界市場をマーケットと考えてサービスの展開を行っているか、というのが大きいと感じています。(もちろん、人口や、教育環境、インフラなど様々な要素が関連していますし、そういった多くの要素において米国に高い優位性があるのは否めないと思います。)

アメリカが自動車産業において凋落したのは、自動車産業が自国のマーケットだけでも十分成り立ち、欧州市場、海外市場を積極的に開拓しなくても独占的な利益を確保できていた、という背景が競争以上に大きく作用したのではないでしょうか。

結果として、アメリカの自動車業界は世界市場よりも、アメリカ市場に向けた自動車をつくり、日本では、携帯業界が、世界市場ではなく日本市場にフォーカスして開発を推進していったことにより、それぞれグローバルな観点での地位を失ったのだと思います。

日本市場においてアメリカ発のソフトウェアが多く普及しているのは、マイクロソフト、ヤフー(ソフトバンク)、グーグルといった企業から早くから日本を有望な市場として捉え、本国同様に重要なマーケットして開拓していったからであり、そうではなかっとしたら、おそらくもう少し違った結果になっていたのではないかと思います。


日本発のソフトは少ないですが、世界市場を視野に入れた携帯用ブラウザのアクセスや、交通案内サービスを提供しているNAVITIMEなどは、ニッチな市場で海外でも順調にシェアを伸ばしていっているように感じます。


少し長くなってしまいましたが、今月のワークスタイル×ブログのあすなろカンファレンスにて、渡辺さんのお話をいろいろときくことができれば、と楽しみにしています。

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