Monday, July 4, 2011

ホットペッパーによるFacebookへのスポット情報の登録の件で思うところ

リクルートのクーポンサービス、ホットペッパーが店舗とは別にFacebookにスポット情報と店舗のクーポンを登録したことが話題となっています。

詳細は、@hitoshiさんによる二つの記事を読んで頂くのが一番分かりやすいかと思います。

FBでホットペッパーがスポット情報を登録しまくっている件

【続報】ホットペッパーがFBでスポットを作りまくっている件

ここで話題になっているFacebookのチェックインクーポンですが、現在のところ無料で登録ができますので、登録する側にはコストがかかりません。店舗が登録すれば、来客が得られるというメリットがありますが、リクルートが店舗の代わりにスポット情報とクーポンを登録することで得られる直接的なメリットはありません。

ホットペッパーへの出稿は固定料金で、クーポンがどれだけ使われたか、どれだけ顧客の送客があったかは広告費用と直接関係がないためです。 

しかし上の「続報」の記事ではリクルートの担当者は「クーポンの発行数を増やすため」という動機を否定されていますが、こうしたサービスへのリテラシーが低い店舗であれば、「ホットペッパーにクーポンを出稿すると、Facebookのチェックイン経由でも来客がある」とホットペッパー出稿による副次的メリットを感じるのではないでしょうか。

ホットペッパーに出稿さえしておけば、フリーペーパーはもちろん、Facebook経由からも手を煩わせなくても集客が期待できる、ということになりますし、そうであれば店舗がホットペッパーに広告を出稿し続ける動機となるでしょう。 

リクルートとしてはホットペッパーというサービスの価値を高められる試みといえるのではないかと思います。

私はFacebookの規約上の問題などについては詳しくは知らないので、この部分に関する言及は避けますが、このようなメリットを感じられる事業者であれば、リクルート以外にも同じような試みを行っても不思議ではないでしょう。

例えば、ぐるナビや、食べログなども同じ試みを行っても不思議ではないですよね。そうすると、店舗のクーポンを扱っているあらゆる事業者がFacebookに店舗のスポット情報を登録しまくる事態が起こっても不思議ではありません。

 さらにクーポンを発行していない事業者・ユーザーでも、サービスを認知させたり、自社のサービスへの送客や、広告リンクをクリックさせるためにスポット情報を店舗の同意を得ずに勝手に店舗情報を登録することも起こりえます。

facebook - スポットの申請 

 これは飲食店だけでなく、不動産情報、ホテル、オフィスなどあらゆる形態の建物、物件でこうした登録が行われることが考えうるわけです。

そうなると似たようなスポット情報が氾濫し、ユーザーの利便性がひどく損なわれるのではないかなと思います。

スポットの申請が重複しないようにチェックする機能を設けたり、有料化したり、あるいはAdwordsのような重複したスポットの中でどれを表示するかを支払っている広告料金の大小で決めるようなロジックをFacebookが今後入れてくるということもあるかもしれませんが・・・。

Facebookの持つ影響力を活かすために、このような形で大量の重複情報がスポット画面に氾濫してしまわないかが気になります。

まぁ、ネットでは、例えば店舗のHPとは別に、ぐるナビのHPも別にあったりと似たような状況はあるのですが、重複したスポット情報の氾濫はそれとは比にならないくらいやっかいそうです。

ぐるナビのHPや、楽天トラベルやじゃらんなど旅行サイトへの登録は、それ自体がHPの代わりにもなれば自社サイトがあればその直接の競合となりうるという理解も多少あるでしょうし、そのサービスを登録すること自体への店舗側の同意も存在します。

またサーチエンジンではグーグルのページランクがあり、今は多少機能不全に陥っているかもしれませんが、ユーザーにより適切なサイトを上位表示する仕組みがありました。ところがスポット情報では今のところページランクに類するものが無いのではないかと思います。

 

今回のような出来事はネット上でのプラットフォームとなりうるサイトが増えると、今後増えてきそうです。

例えばLinkedin上で、求人を行っている会社ではない第三者が、その企業情報と求人情報を登録したり。

似たようなことはアフィリエイトを利用した求人情報サイトなどネット上でごく通常にあります。その視点から考えるとスポット情報を登録することは、SEOに優れたランディングページを作成するのと変わらないという考えも成り立ちえますが、ウェブページの検索と、スポット情報の検索とではおのずと性質が異なります。そこをプラットフォーム側がどうコントロールしていくのか、あるいはしていかないか。

ひとつの転機となる出来事となりそうですね。

今回の件、ネットリテラシーの高いお店以外は、「何だか良くわからんけど、とりあえずスルー(結果、OKに)」というところが多いんじゃないでしょうか。こうしたやり方に対して店舗側から反発が出てくるのも当然ですし、その反面、日本のサービスは空気を読みすぎていて、大胆な展開をしなさすぎるきらいもあるので、今回のリクルートのような動きも個人的にはあってもいいと思います。

それに対して、ユーザー、店舗、そしてFacebookがどう評価するかですね。Facebookの規約も王様の気分次第でしょうし、 Facebookとリクルートが事業提携してお金で解決というドンデン返しもあるかもしれないですね。

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