カルフォルニア州立大学バークレー校が、大学の講義をYouTubeに投稿していくことを発表しました。
CNET:UCバークレー、YoutTubeで大学講義を丸ごと配信
グーグルの共同創業者であるSergey Brin氏が行った検索エンジンの講義も公開されています。
SIMS 141 - Search, Google, and Life: Sergey Brin - Google
再生回数が5日午前2時現在まだ約22000というのは少ないような気もしますが、こんなもんなんですかね。
余談ですが、大学1年のときに中退をして、アメリカの大学に入学しようと考えていたことがあったのですが、その時に行ってみようかと検討していたのが、このUCバークレー校と、University of Illinois at Urbana Champaign校でした。理由は単に、当時考えていた理工系のある領域で全米の上位に入っており、授業料が州立のため比較的安く、キャンパスも広いのが、この2校だったからです。結局、転部をして全くカルチャーの違う創設間もなかった同じ大学の新キャンパスに行くことを選びましたが、バークレー校は今もいつか行ってみたいと思い続けている大学のひとつです。
さて、このYouTubeへの講義の配信ですが、UCバークレーにとっては非常にメリットがあることだと思います。
本来、授業料を払って、聴講できる講義というものを無料で視聴可能にすることは画期的なことです。が、それによって、UCバークレーには直接的な収益は全くありません。
しかし、大学が提供できる分かりやすい価値とは、講義というコンテンツではなく、
・大学に通うことで得られる本物の人脈
・学位という証明書
といえるのではないか、と思います。
ひとつめが、生徒が期待するもの、
ふたつめが、生徒、そして他人が評価しやすく、社会が評価するもの、及びそのことを生徒が期待しているものです。
もちろん講義で得られる知識は重要ですが、その場にいることでしか得られない経験、そしてそこで培われる人脈は、大学に在籍することで得られるものであり、また就職にあたっては、例えYouTubeでどれだけUCバークレーの講義を聴講したとしても、履歴書に学位として書くことはできません。
そのような、在籍することでしか得られない魅力的な価値(それが本質的なものではなくとも、市場価値が存在する)がある限り、講義を公開することは価値の希薄化よりも、世界中のアテンションを集め、UCバークレーの存在感を高めていくのではないかと思いますし、そういった考えもあっての公開だと思います。
東京大学が大学院生の授業料を無料に、という計画があるようですが、個人的には国内の大学がUCバークレーのような形で、動画配信やすでに一部行われているポッドキャスティング配信に取り組むのを期待しています。
追記:
こういった試みが、YouTubeという無料のストレージと動画配信サービスによって可能となっており、そしてまたYouTubeにとっての価値となっているのも改めて考えると面白いですね。
先日の下記エントリーで紹介したオライリー氏の
(オープンソースにすることで)価値が失われるわけではない。価値はどこか別の場所へ移る。
という言葉にも通じるものがあるような気がします。
ティム・オライリーの独占インタビューを読んで。(あすなろブログ)
UC Berkeleyの卒業生で、数回ゲスト講義を行った事が有る者です。
ReplyDeleteなかなか興味深く読ませて頂きました。 無料のポッドキャストとかかなり前から行われていましたが、YouTubeは次のステップですよね。
ちなみにUC Berkeleyのポッドキャストがあるリンク:
http://webcast.berkeley.edu/index.php
教える側からするとまずは講義を受ける学生が如何なる形えも講義を聴けるようにする・・・という何でも便利にしようとする考えがあるかと思います。 Customer Service的な発想でとにかくコースの内容のアクセスを良くする事が大切と考えているのも確かだと思います。
Berkeley 留学実現してください! Open Course Wareという動きもありますが、 Syllabus, Reading Assignment, Lecture, Class Discussion, Team Projectの組み合わせが本来の学習には必要ですが、 Lectureを公開することで 少しでも世の中に貢献するというコンセプトの様です。 定員に限りがある限り Internetを通じてコンテンツを公開するのは良いことと思います。 Blogの右下にOCW関連のLinkがあります。 Stanfordの起業関係のVideoすばらしいです。
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