タイトルと著者に興味があったので読んでみた一冊、「35歳までに読むキャリアの教科書」。
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著者である渡邉氏が大学の先輩で、 新卒で働いていた頃、氏が日経新聞者在籍時代にメルマガを発行していたので直接の面識がなかったもののそれをずっと楽しみにして読んでいました。
新聞社の裏側にある非効率性や、ニュースにまつわる業界構造の問題などがいつも深くえぐりだされていて、読みながら「渡邉さんはいつ日経新聞を辞めることなるんだろう?」と半ばハラハラしていたり。
当時新卒で働いていたイマジニアの社長にもこのメルマガは紹介し、とても喜んでもらえましたがそのときはまさか、自分が渡邉氏よりも先に会社を辞めることになるとは思いもしていなかったですが・・・(笑)。
さて、この一冊は一言で言えば、「就職した後で望みたい仕事に就くにはどうしたらよいか?」について書かれたもの。
新卒で就職しようという人にももちろん役立つ内容が多いのですが、キャリアを歩み始めた後、どのように自分の望む方向に軌道修正をしていくのか、転職はもちろん、社内での異動も含めて自分のキャリアをどう構築するかのための良いガイドブックとなっています。
おそらく、著者の渡邉氏は最後から順番に書きたいことだったのだろうと察しますが、そこは読者のために分かりやすく現在の日本の仕事事情から始まり、どのようにして自分の仕事への動機を顕在化するか、そして望みたい仕事をするにはどのように能力を開発するべきか、望む仕事内容に就くには、と繋げられて自然な流れで「自分のキャリアをどうしていきたいのか、そのためにはどうするべきなのか?」と自分のキャリアを見つめなおすことができるよう書かれています。
日本の多くの企業が抱えている、右肩成長の崩壊による歪みが生じているキャリアモデルについてよく理解している人であれば、取材インタビューにより紹介されている他者のキャリアケースだけを拾いながら、第4章から読み始めてしまってもいいかもしれません。
私も自分の内なる仕事への動機を見つめなおすいいきっかけとなりました。
年齢的には私はターゲットの上限ですが、20代後半の人はぜひ読んでみるといいと思います。 僕も20代の頃に読んでおけば、もっとしっかりと自分の仕事への動機を認識することができ、より質の高い仕事ができたかな、と。
ひとつだけこの本について苦言を加えるとすると、上記のキャリアケースの中で、楽天への転職を検討した人の例が出ているのですが、その人が楽天ではなく他社を選んだ理由が楽天の企業文化にカリスマ的な、宗教がかった雰囲気を感じたというものがあるのですが、中で働いている僕からすると、これは結構、先入観があるかな、と(笑)。
僕も楽天に転職する際はそうした懸念は少しばかりあったのですが、実際にはほとんどそうしたことを感じることはないですし、部署によって、あるいは働く人のポジションによってかなりバラつきや温度差があるかな、というのが実感です。
グループ全体で1万人規模の人数があるので、共通した企業文化はもちろんありながら、部署ごとでも相当にカラーが異なっている部分があるのですが、その中でもインパクトの強い部分が総体のイメージとして一人歩きしているのかもしれません。
またこの本は、成功している人、成長している人、そして能力がある人の視点からのものであることは否めないところ。それでもこうした本を手にとり、自分のキャリアに真剣に向かい合い、この本をしっかりと理解できる人であれば心配ないということかな。 バッドケースも知りたいというのは読者として欲張りすぎかもしれないですね。
転職、あるいは社内での今後の身の振り方を考える前に読んでおくといい良書です。
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