Saturday, June 20, 2009

海外で働くといいのは日本が進みすぎているから

少し極論で書いていますが、海外で働くことのメリットのひとつに海外が進んでいるからではなく、日本が進みすぎているから、もしくは日本国内での競争が過当競争すぎるからということがひとつあると思います。

日本がダメだから逃げ出すわけではなく、その方が自分の価値をより最大化できるからそうするわけです。


日本のサービスレベルはもちろん、働く人の能力は総じて非常に高いです。ですが高すぎるが故にそこで高いパフォーマンスを出し続けていくのは生半可なことではありません。

例えば、海外では最高点100のうち、平均60くらいのアウトプットが平均であったりするところ、日本では90が平均だったりします。

その日本で90の平均点を1つでも高くなるように、100に限りなく近づくように努力するのはかなり神経を費やすことです。

ですが平均60の世界で日本にいる時に比べ力を抜いて80のアウトプットを出したとしても非常に評価されたりします。そうすると、日本にいる時以上に頑張ろうという気持ちになり、力を抜いていても100に近い力が出せるようになったりすることも起こります。

 

もちろん全ての面で日本が進んでいるわけではなく、海外のほうが進んでいる面も多々あります。しかし日本人として持つ優れた資質は、日本においてはほとんど評価されることはありません。かなり高いレベルが維持できていたとしても日本の中ではマイナスに評価されることもあります。

しかしそうした日本では評価されない当たり前の資質が海外では高く評価されたりするわけです。

日本では怠け者の部類に入る僕が、海外に来ると働き者と評価されたりするわけです。

アリの中で働きもののアリだけを2割だけ集めると、その中で働きもののアリは2割だけになってしまうという有名な話がありますが、日本にいるということは近しい属性を持った人たちの中で激しく競争をしている状態だったりするわけです。

そうした世界の中で、少しだけ他者より抜きんでるために努力するよりも、全く違うフィールドでのほうが自分としての個性や強みが発揮しやすかったりします。

「きわめて短時間にそこそこの成果を上げる人間」の取説とその弱点という記事が少し前に注目を集めましたが、ある事柄において短時間にそこそこの成果を上げる人間が多いのは、全員がそのことに対して最適化されているからだったりします。

まったく違う環境であれば、そこそこの成果が、そこそこでなく高く評価されたりします。

もちろん住む場所が違えどプロの世界は厳しいものであり、天才という魔物が住む世界はそこそこの努力では到達できない世界であることに違いありません。

しかし豚もおだてれば…の話ではないですが、自分がおだてられたほうが伸びやすい人間だと思うのであればかなりの努力をしてもほとんど評価されない世界よりも、そこそこの努力でも評価される世界に身を置くことは一考に値するかもしれません。

もちろん日本のような競争が激しい世界に身を置いていたからこそ個人としての能力や平均値が上がったのであり、そうした環境があるからこそニコニコ動画の世界に溢れる優れた才能の無駄使いが生まれてきたりするわけでもあったりします。

15 comments:

  1. アリの話ですが、サボっているのが2割です。

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  2. [政策]アンフェアな規制は黒船がくるまで続く

    日本では米の消費が1963年度の年間1341万トンから近年は900万トン台まで落ち込んでいます。一人あたりの消費量は1962年度の118.3kgから20...

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  3. 社会的責任感が強いのが日本人の良いところ(だが悪い意味での強迫観念も強くなる)

    それでも日本はすげーんだ、といった国粋主義系の記事かなと思ったら、そうではなかった。海外で働くといいのは日本が進みすぎているから(世界を巡るFool on...

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  4. なんだか抽象的で具体性に欠けるなぁ。海外っていっても色々ある訳だし・・・。
    期待して読んだら
    この程度か

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  5. 「例えば、海外では最高点100のうち、平均60くらいのアウトプットが平均であったりするところ、日本では90が平均だったりします。」
    個人の仕事のアウトプットと、労働生産性は一致しません。
    日本の問題は、仕事のアウトプットの割にリターンが少ないことでしょう。薄利多売と同じで、働いても働いても会社が儲からず、リターンが少ないのが問題。
    そういう状態の日本が海外より進んでいるとはとても思えません。

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  6. ぜんぜん関係ないけど働きアリっておばあちゃんらしいね

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  7. 全く同感です。医療関係者ですが、家庭も顧みず、猛烈に働きまくる医者に囲まれて、みんな疲弊しています。

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  8. そんな海外で働いています。こんな国でも破綻も破産もせずそこそこの歴史を築いていることがすごい!目からうろこ!正確な定義はよく知らないのですが、多分自主残業のことでしょう、日本式ストライキという表現があるくらいです。

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  9. 日本は「お客様はいつも正しい」って姿勢がありますね?そういう意味でのサービスは世界一だと思います。
    でも日本企業で働くイギリス人の話によると「日本人はよく働くが我々とスタンダード・価値感が随分違う」そうです。何枚もの書類を回しあって「仕事」と思うのは感心しない、みたいなことでした。
    でも日本人ももっと外国に出て行って、他の場所から新たに学べる様になって欲しいです。

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  10. ※1
    そのに割を新しい巣にいれると
    そのうち8割は頑張って働くのですよ

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  11. 日本でそういう問題があるのは、日本の頭脳労働市場が大企業を中心とした労働市場の一部に集中しすぎており、歪曲しているからです。日本では零細企業オーナーや自由業としてはこれっぽっちしか稼げないのに、同じ才能でも、海外でやればその10倍くらい稼げたりするのは、まさにそういうことでしょう。
    ただ、東京で職にあぶれた優秀なクリエイターや起業意欲のある人をどっかに連れていって、はい資本金貸すからやってみろ、と言っても、結局、、語学とか、文化、コミュニケーションといった壁がありますし、現地人を雇って仕事させる場合でも、そもそもマネジメントのしかたが違うので、これはまた難しい話で、だから、そんな話はほとんど聞かないのでしょう。
    円高、言葉の壁、そしてもうひとつの壁は、大企業中心の労働市場だと僕は思います。

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  12. Mars07さんの分析が正しい。
    日本人はミクロの視点しかないことが多いが、この記事の作者もその一人のようだ。
    >ある事柄において短時間にそこそこの成果を上げる人間が多いのは、全員がそのことに対して最適化されているからだったりします。
    全体的な効率を考えず、目の前のことをすばやくにこなすことだけしか頭にないことが問題なのだ。働きアリとしては有用だが、それだけの存在だ。
    あの働かないことで有名なイタリア人にさえ、一人当たりのGDPで負けているという事実が、全体的な効率の低さを物語っている。

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  13. なるほどな。。と思います!
    さすが、日本人の厳しいコメント、これが疲弊する根拠かもしれませんね。自分にも厳しく人にも厳しい日本社会は息苦しいですよね。。

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  14. 外人って包丁さばきが雑だし、おたまの持ち方間違っているし、こんな適当な連中が海外で生き残っていけるんだから。日本は完ぺき過ぎるくらい。
    日本もこれからはローテクに進むと思う。

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  15. 具体性が無いと厳しいコメント言ってる奴ほど リテラシーな想像力が無い。
    しかし、使われると能力は高い。

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