All About: ドラクエXがたった40万本でも大成功な理由
前作のドラクエIXは、初週約230万本、その後日本では販売本数が約440万本に達しています。
単純に前作と同じような売れ行きをたどるとしたら、今回のドラクエXの累計販売本数は約80万本どまりということなります。
さて、今回のオンライン版の数字は、継続して開発費を回収できるビジネスモデルのため約40万本という数字は小さくないという論調が目立ちます。
果たして本当にそうなのでしょうか?
まずはドラゴンクエストXがオンライン版でなかった場合に得られる収益を推定で出してみます。
ドラクエIVが累計440万本、VIIIが約370万本、VIIが約420万本販売されていますので、ドラクエXがオンライン版ではなく通常のソフトとして販売された場合に400万本売れたと仮定してみます。
販売価格は今回のドラクエXと同じ6980円で試算します。
ゲームソフトの卸値は7割ほどといわれています。6980円の7割で約5000円。
さらに任天堂への製造委託費とロイヤリティがそこから差し引かれます。
下記の記事によるとWiiソフトの製造委託費とロイヤリティは1本1000円程のようです。
なぜ任天堂は社員数がソニーの50分の1で稼ぎは3倍なのか
ですので、ドラクエXの粗利は1本あたり4000円となります。
400万本売れれば、160億円の粗利。
ここから宣伝費や開発費などを抜いた金額が利益となります。
今回のドラクエXの販売本数が80万どまりだった場合、
ソフトウェアの売上は1/5になり、32億円の粗利となります。
問題は、オンラインによる収益が、オンラインでなければ得られていたであろう収益を上まるかです。
160億円 - 32億円 = 128億円
となり、オンラインの収益が今後130億円を超すのかどうかが鍵となってきます。
ドラクエオンラインの料金は月1000円。
プリペイドカードやクレジットカードの手数料が5%程かかるとみて950円が入ってくると考えてみます。
仮に80万本売れて全員がオンライン料金を支払えば月7.6億6円の収益となりますが、いまは約40万本ほどですので月3.8億円ほどの追加収益となります。
追加で130億の利益を毎月7.6億円の収益を積み重ねて得るには約17ヶ月、
毎月3.8億円の収益を積み重ねて達成するには約34ヶ月かかります。
当然数カ月して継続して利用しないユーザーも出てきます。
FFXIはRPGのコアユーザーを意識したソフトだったため継続率を高く保てたと思いますが、ライトユーザーの多いWiiというハードとドラクエというタイトルでどれだけ高い継続率が保てるか、ですね。
またオンラインの場合、サーバ費用や運営費もかかってきます。
こうして考えてみるとオンライン版とはいえ40万本という数字を楽観視できる数字ととらえるのはまだ早いのかな、と思っています。
もちろんこれは収益の面から考えてみた試算でタイトルの面白さとは別の話ですし、またいつまでも同じビジネスモデルが成立するとは限りません。
リスクをとって違う方向に舵を切ったといもいえる今作の動向に注目しています。
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