Wednesday, May 1, 2013

日露首脳会談のプーチン大統領のTBS記者への回答をロシア語で文字起こししてみました

先日行われた日露首脳会談での共同会見中に、TBS記者による質問に対するプーチン大統領の回答が見事なものだったと話題になっていましたね。

【悲報】#TBS の記者がつまらん質問をしてプーチン大統領がブチギレ呆れる 日露共同会見 #nhk



私もたまたま生でNHKでこの時の様子の中継を見ていました。

プーチン大統領の切り返しは見事だなぁ、と思ったものの通訳のほうが少したどたどしい感じがしたのがこの時、気になっていました。この出来事はその後、NAVERまとめやいろいろなサイトで取り上げられ、文字起こしもされているのですが、文字起こしされているのはあくまでも通訳された方の文言なんですよね。

プーチンは正確にはなんといったのかなぁ、ということがしばらく気になっていて、英語でのロシアニュースをチェックしたりしてみたのですが、わかったのは日本との報道の重点にかなり差があるということくらいで正確にプーチン大統領が何と話したかがわかるソースは見つかりませんでした。

ということで、英語での文字起こしを見つけるのは一旦諦めたのですが以前から海外のアウトソーシングサービスを試してみたいと考えていたのを思い出し、oDeskでこの時のプーチンの発言を文字起こししてもらえるよう依頼してみました。


英語での翻訳を最初に受け取ったのですが、自分でもGoogle翻訳を使ってロシア語から英語への翻訳結果をチェックし両方を比較してみたかったので、ロシア語での書き起こしと、英語への翻訳の両方を成果として受け取りました。

かかった費用はoDeskでの発注最低単価5ドル。最低単価がなければ、時給から考えると1〜2ドルで発注できそうな作業量でした。


以下がロシア語での原文です。
Я посмотрел, Вы добросовестно зачитали этот вопрос по бумаге. Я бы попросил Вас передать тем, кто Вам его продиктовал следующее: эта проблема досталась,- не мы ее создали,- она досталась нам из прошлого. Сто лет назад еще. И мы искренне хотим ее решить на приемлемых условиях для обеих сторон. Если Вы хотите нам помочь, то это возможно. Нужно создавать условия доброжелательного друг к другу отношения и создание обстановки доверия. А если Вы хотите помешать, что тоже возможно, то можете продолжать за давать жесткие прямые вопросы, на которые всегда будете получать такие же жесткие прямые ответы. Ну а как иначе-то? В данном случае я хочу сказать, что на этих территориях проживают такие же граждане Российской Федерации, как и все другие наши граждане проживающие где угодно. Мы обязаны о них думать, обязаны думать об уровне их жизни. Официальная позиция Российской Федерации по заключению мирного договора хорошо известна. Но мы сегодня собрались не для этого, а для того, чтобы восстановить переговоры по мирному договору и искать пути ре шения этой проблемы. Arigato.

受け取った英語での翻訳と、Google翻訳でのロシア語→英語への翻訳をもとにを私のほうで、日本語に意訳してみるとこんな感じです。

私が今目にしましたが、あなたは紙から質問を読み上げましたね。
ですからその指示をあなたにした人に次のことを伝えてください。(会場:笑)
この問題は私たちがつくりだしたものではありません。私たちが過去から受け継いだもので、もう100年前のものです。私たちはこれを両者にとって受け入れることができる条件によって解決したいと真剣に考えています。
もしあなたが私たちを助けたいのであれば、それは可能です。
私たちはお互いに友好な関係のための状況を創らなくてはいけません、そしてお互いに信頼できる風潮を創りださなくてはいけません。
もしもあなたがこれを妨げたいのであれば、これも可能なことですが、手厳しく直接的な質問をし続けなさい、そうすればあなたは常に同じように厳格で直接的な答えを得ることになります。
でも、他に何かできないでしょうか? ( But, What else?)
このケースで私がお伝えしたいのは、これらの地域には私たちの他の地域に住んでいる住人と同じように住んでいるロシア連邦の市民がいるということです。
私たちは彼らのことを考えなくていはいけません、彼らの生活の質を考えなくてはいけない義務があります。
ロシア連邦の平和条約の締結に対する公式見解は良く知られているとおりです。
しかし今日私たちはそのために集まったのではありません、平和条約の交渉を復活するために、そしてこの問題に対する解決策を探るためにです。アリガトウ。

そして以下が、会見での通訳の文字起こしです。

プーチン:私が今、注目したのは、きしゃの方がこの質問を紙から読み上げていただいたかと思います。 この質問をたぶん、ほかの人からもらったかと思いますけれども、その人に対して、次のことを伝えていただきたいと思います。 この問題というのが、われわれが作ったものではなくて、それは過去からの遺産であって、もう60年前からの過去です。 それは私たちが真にこの問題を解決したいと思います。そこに受け入れ可能な形で解決したいと思います。 もしこのプロセスにおいて、ご協力をなさりたいならば、この問題の解決に際しまして、環境の整備が必要になってくる
と思いますけれども、それはよき関係を作ること、そして信頼…ということが重要であります。
もしこのプロセスにおいて、妨げを起こしたいならば、それも可能です。 そのためには、激しくて直接な問題、直接な質問をして同じような激しくて、 直接な回答をもらうことができるかと思います。それは、それ以外の方法はないと思います。 この地域なんですけれども、ロシアとほかの地域と同じようなロシアの国民、 ロシアの国籍を有する人たちが住んでいるわけです。われわれがこの人たちの生活を考えなければならないし、この生活の水準を考えなければならないです。そしてロシアのこの平和条約問題の締結に関するロシア側の立場がよく知られているものであります。 しかし、私たちがそのために集まったわけでなくて、私たちが集まったのは、平和条約交渉の再スタートをして、 解決策を模索するために、今回は集まったわけです。ありがとう。
内容にそれほど違いはないですが、ニュアンスがわりと違うと感じる人もいるかと思います(同時通訳だと限界ありますしね・・)。ご参考までに。

追記:細かい違いですが、プーチン大統領は100年前といっているところを通訳の方は、これは北方領土問題のことだから60年前ということだろう(大体という意味でざっくり100年前と言っているのだろう)と判断して意訳されているようですが、プーチン大統領は文字通り100年前、つまり1904年の日露戦争以降から生じている問題ということで言っているのかもしれないですね。

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