Sunday, October 21, 2012

ビズリーチCTO竹内真氏によるスタートアップ立ち上げ時の戦略

第3回ITスタートアップ勉強会 ~ ITベンチャースタートアップ時の夢と現実 ~逆算・奇襲・突破・仕組み化~ に参加してビズリーチのCoFounder&CTOである竹内真氏からどのように考えながら立ち上げをおこなってきかたという話をきいてきました。

ビズリーチは1000万円以上の求人情報を掲載している求人サイトで、企業からではなく、レジュメを登録するユーザーに対しても課金モデルがあることが特徴のサービスです。

ビジネスモデル成功するビジネスモデルか?
 ビジネスモデルはそれほど多くない
 マーケットは?ROIは?
 市場があるか?
 分かりやすいか?

ビズリーチのビジネスモデルは米 The Laddersが課金型転職サイトとして存在していたので参考に
ビジネスモデルは出会いサイト match.com もマッチングサイトとして参考にした
→match.comの日本法人のマーケッターがビズリーチに参加してくれた

年収1000万円以上というマーケットはニッチだが、ある程度のマーケットサイズはある
  単体で数十億円行けるのでは?

分かりやすさ
 年収1000万円以上の転職サイト ということで分かってもらえる
 人材業界では800万円というのがひとつの区切り
  800万-1000万の求人情報のほうが1000万円以上より多い
  人材業界は1000万円以上という打ち出しができないところビズリーチが1000万円以上という打ち出しを行った

いまあるお金だけで考える
 「いつ倒産するのか」を理解する
 ローリスク、ハイリターンなビジネスはそんなに転がっていない
 倒産しないような収入改善のストーリーを作り、かつそれを実現できるような戦略を3倍くらいつくっておく
  ビズリーチはアライアンス戦略:メディアとくんで子ブランドをつくってレベニューシェアでサービスを立ち上げていく
   最初、全然だめだった。ストーリーを描いた通りにはいかない。3倍くらいやってようやく達成できるかどうか
   テレビで取り上げられても、長くて数分。またしばらくたつとすぐに流入が止まる
   そんなにうまい話はない
  当初の計画では1年生きながらえたら、という想定でコンサルタントフィーなどを得ながら生きながらえていた
 サービスをはじめて1年くらいで資金調達
  ただ資金調達はあくまで事業を加速させるための手段
  「時間を買う」
  資金調達をしないと倒産するようなビジネスは博打

仮説を検証するための奇襲
 ベンチャーたるもの正攻法では大企業に負ける
 奇襲を考えたら即座にやる

 奇襲をする前に大切なのが「仮説思考」
 「仮説思考」ボスコンの人が書いた本
 ースピードが何よりも大事
 ー徹底的に調べてだとスピードがでない
 ー仮説をたててからデータをみる
 ーどうやったら素早く仮説を検証できるかを考える

 何よりもまず奇襲
 ー予算をかけて開発した機能がまったく使われない無駄を排除する
 検証する前にシステムを作るのではなく、最低限の労力で検証する(モノをつくるという行為を最低限に)
 検証が成功したら仕組み化する
 
 ビズリーチ最初の奇襲攻撃
  普通はTechCrunchやIT系のサイトに取り上げてもらう
  いきなり六本木ヒルズで記者会見をやった
   年収1000万円以上だと金融系の人が多い
   リーマンショックで解雇された金融関係の人も多かった
   そこで解雇通知書(ピンクスリップ)を持った人とヘッドハンターとでパーティーを開催した
   関東キーTV局全曲含め、40社以上が取材に参加
    会員登録も促進され、クライアントの注目も集まった

 仮説:登録フォーム 入力項目は少ないほうが登録率があがるのでは?
  とにかく最低限にしよう
   転職サイトは入力項目が多い
   でもとにかくメールアドレスがあれば継続してリーチできる
    メアド、PW、直近の年収だけで会員登録できるようにした
     PWの確認フォームも削った ミスした人はもう一度会員登録する
     結果、会員登録が少ないほうが登録率が高かった

 突破するための資金調達
  資金調達ありきで事業を考えないのが大事
  資金調達は事業の成長カーブをさらに強めるためのもの
  ビズリーチにとっての2億円
  ー優秀な社員の獲得費用 給与として
  社員100人の半分くらいを社員紹介で獲得。採用費ではなく給与として還元
  ー求職者獲得のためのマーケティングフィー
  
  お金をかける前にとにかく会員登録率が高いLPを用意
   LPは絶対日本は遅れている
   アメリカの有名なサイトのLPを参考に
    でもアメリカのIPアドレスじゃないとGoogleの広告では出てこない
    AWSでアメリカに中継サーバーをたててチェック
   突破
    効果的なLPが用意できた後で資金調達により数十倍の予算をマーケティングに投下
     CPAは最小限におさえて
     広告がでると認知がやはり広がる

  その他の奇襲
   テレアポ、営業
   いろいろなトークスクリプトを試す
   一番効果の高いスクリプトをみつけそれを全体に展開
   
  突破するために
   とにかくたくさんの奇襲プランを考える
   考えたら即実行
  
  仕組み化による利益創出
   ビズリーチには3つの収入源
    求職者から利用料 → そのままマーケティングコストに
    ヘッドハンターから利用料
    採用企業から利用企業
     残りで人件費とその他のコストをまかなっている

  人材業界は不況に弱いと言われている
   採用が減るので、収入が落ち込む
   でもビズリーチは求職者からの利用料があるので、求職者が増えると利用料が増える(採用側からの収入は減るが)
   不況時はCPAが下がるので(1/3-1/5になる)マーケ予算が効果的に使える
   不況でもエグゼクティブ層の採用ニーズはある(刷新ニーズがある)

  仕組み化による利益創出
   ほとんどのアナログなものはデジタル化できる
   
経験と感覚という悪魔
 特に「感覚」は悪
 ー逆算、奇襲、突破、仕組み化
  この流れの中で最も大事なことが「感覚に頼らないこと」、また「経験を過信しないこと」
  感覚に頼っていると何回も失敗する
   失敗の可能性があがるのでファクト用意する(ログ、データ)
  ファクトが仮説に反している場合、自分の感覚が間違っている可能性があることを素直に受け入れる
 経験
  全く同じビジネスでないかぎり、経験を過信してはいけない
 偏見
  全ての人が「常識」という偏見を持っている
  ビジネスの上では常識を捨てることができるのが大事
  →それは奇襲をかけられるところではないか?
  例えば会員登録で
  ーPW確認フォームが必要というのは常識&偏見
 ファクト絶対主義
 ー思った以上に感覚は曖昧
  逆に大きなイノベーションは起きにくくなる
 イノベーションのジレンマ
  ベンチャー企業にも起こりえる
  ビジネスモデルが確率しマネタイズがうまくいくほど守るべき既得権益のようなものが発生しがち
  経営陣が自らのサービスを破壊し続けなければいけない
   どうやってビズリーチを倒そうか?を考える
    ビズリーチの弱点を考え、社外的な観点から自分たちを達観視する
    見えた穴を自己修復する
  イノベーティブなアイデアはうまくいっているサービスにおいては諸刃の剣になりえる
   ファクトがない、判断できないものは5年後、10年後をみすえて覚悟と熱量をもって実現する
  複数の経営メンバーでバランスをとる
   経営陣は意見がぶつかってこそ意義がある
   イノベーティブなアイディアは穴があるので、苗がティブ要因を極限まで排除する
 

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