Thursday, March 25, 2010

なぜFacebookが成功したのか?

今読んでいるThe Facebook Eraという一冊の中で、なぜ他のSNSではなくFacebookが成功したかという理由が3つあげられていました。

SixDegrees.comやYahoo!360°が短命でそうそうに飽きられたのにFacebookではなぜそうではなかったのか、3つの理由を紹介してみたいと思います。

信頼できる個人認証と明確に定義されたネットワーク

Facebookは大学生を中心に学生生活での交友関係という軸を中心にユーザーが広がっていきました。学生でなくても参加しているユーザーは当時からいましたが中心になっていたのが、大学生活での顔の見える交友関係。

これは日本においてもmixiやGREEがそうですね。ただ日本の場合はFacebookと比べて、サービス初期のメインユーザーは現役の大学生ではなく、大学生の少し上の層、20代半ばから後半だったように思います。

これは当時のアメリカと日本でのPCとモバイルインターネットの使われ方の違いに起因するところも多いように思います。mixiとGREEがモバイルに本格的に対応したのがサービスが流行りだした後で、学生生活でのコミュニケーションのやりとりはPCよりもモバイルが中心にすでになっていたのに対し、アメリカではまだモバイルでのネットの理由は日本に比べて限定されたものでした。

Facebookでは大学生を各大学のメールアドレスのドメインで認証していたりもします。ミシガン大学のネットワークの認証には、その大学のドメイン@umich.eduのメールアドレスを持っている人に制限するといったようにです。これは日本のSNSでは行われていない試みのひとつですね。

限定性

上記とも関係してきますが、Facebookはサービス開始当初、対象となっていた大学は制限されており、徐々にその数を増やしていきました。ハーバード大学から始まり、アイビー・リーグへと広がっていきました。この時点では他のユーザーのプロフィールを検索したり、閲覧するのは自分が所属する大学のネットワーク内に制限されていました。このことがサービスの信頼性を保つのにも寄与し、MySpaceやOrkutといった他のサービスではスパムメッセージが大量に流布していました。

また徐々に対象となる大学を増やしていくことでサービスへの負荷をコントロールすることにも成功。対照的にOrkutやFriendsterはサービスの急成長によるサーバーの停止などに悩まされていました。

ニュースフィード

Facebookにユーザーを再訪問させている要素。それがニュースフィードです。友達の活動状況、書き込み、イベントの告知、投稿の告知などなど。こうした知り合いの活動状況が個人のプロフィールページに表示されることが、ユーザーをなんどもサービスにアクセスし続けさせる仕掛けとなりました。(これをマネタイズに繋げようとして物議を醸し出したりもしたのですが)

mixiでのコメント通知、コミュニティー通知に近いですね。ただmixiでは自分に何が起きたか(誰がみにきたのか、コメントが書かれているのか)が軸なのに対して、Facebookでは友人が何をしたのか、友人から何がきているのかというのが軸になっているように思います。

上にあげられている3つはどれも単純ですが、この3つを全て兼ね備えているサービスはそれほど無いように思います。Google Buzzなんかはユーザーを制限したり、軸を設けるのとは完全に逆の方向でサービスをリリースしていますしね。

Facebookというサービスが、開始時にはターゲットを絞って、サービスにも制限をいろいろと設けていたこと。小さく始めて、できることを増やすのではなく、逆に制限すること。

このあたりが『小さなチーム、大きな仕事』という本の中でも紹介されているような逆転の発想につながる部分があるように思います。サービスをつくる上で胸にとめておきたい点です。

小さなチーム、大きな仕事

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