今月に入って次世代DVDに関する二つの大きなニュースが出ています。
ブルーレイとHD DVDをサポートしていたワーナーブラザースが今後はブルーレイのみに供給を行い、HD DVD陣営だったパラマウントはHD DVD支持を撤回するとのこと。
ワーナー、Blu-ray独占供給へ。東芝は「極めて残念」
米パラマウント、次世代DVDで「HD-DVD」支持撤回へ-FT紙
パラマウントについては以下の部分が興味深いです。
パラマウントが昨夏HD-DVDの単独支持を発 表し、同陣営に加わったものの、その契約内容にはワーナーがBD支持に変更 した場合、パラマウントにも同様の措置を容認する条項が入っていたと報じた。
これが本当だとするとすごい契約内容ですね。パラマウントとしてはどちらに大勢が転んでも大怪我しないようあらかじめ手を打っていたといえます。
上記のニュースが本当だとすればHD DVD陣営にとっては非常に大きな痛手でしょう。
さて、ブルーレイとHD DVDですが各社のCMにもマーケティング上の大きな違いが現れていると感じています。
ソニーのCMは「ブルーレイじゃないともったいない」というキーワードを元にブルーレイならではの体験、違いを打ち出していく戦略。
ブルーレイにしないと損ですよ!とういことをユーザーにメッセージとして伝えています。
一方、東芝のHD DVDの宣伝はHD DVDをアピールするというよりはVardiaというハードディクスレコーダーの特徴のひとつとしてHD DVDという要素を伝えることにとどまっています。
結果としてHD DVDは製品の一機能という形で伝えられてしまっており、さらにふつうのDVDにもフルハイビジョンが残せるというメッセージがHD DVDの有用性を弱めて伝える形になってしまっています。
また気になるのがCM中に使われているHD DVDのディスクが安っぽいことです。
普通のCD-Rのディスクとかわらないような質感のディスクを使っているため、HD DVDが高機能であったり価値があるものであるということを伝えるのではなく逆にあまり価値のないものとしてイメージされてしまっているように感じます。
(CMで利用されているHD DVDのイメージ。無刻印のCD-Rに文字を貼り付けただけのようにも見えます。)
ソニーはこの辺りのイメージ戦略には長けており、初代プレイステーションではディスクの裏面を黒色に、プレイステーション2では青色にすることで、他のCD-ROMやDVD-ROMとは違うということをイメージとしてユーザーに持たせることに成功していました。
ブルーレイとHD DVDの成否はこれだけによって決まるものではありませんが、マーケティング戦略上も優劣がついてきているのかもしれません。
追記:マーケティング的に成功しているかどうかは疑問符はあるかもしれませんが、新しいMicrosoftオフィスのパッケージはよくできていると思います。ファイルのアイコンの角が一箇所丸くなったデザインがそのままパッケージにも活かされており、今までの既存のオフィスのソフトウェアと差別化してイメージを伝えることに一役買っているのではないでしょうか。
Microsoft Office 2007のアイコン
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